...ほっとした驢馬が一と声景気よく嘶く時には――殊にそれが晩方で...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...千里の長風に嘶く...
大町桂月 「十和田湖」
...馬の嘶くのを聞くがいゝ...
高田保 「貸家を探す話」
...嘶く戰馬解き放つ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...野に出る馬の嘶く声が聞えたりした...
豊島与志雄 「秋の幻」
...然しその時彼の頭に浮んだ馬は、胴の毛と尾とを短く刈り込み、足には鉄蹄をつけ、鬣を打って嘶く、逞しい乗馬ではなかった...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...案山子はなきか――あるまい馬嘶くか――嘶きもしまいたゞたゞ青色の月の光のノメランとするまゝに従順なのは春の日の夕暮かポトホトと臘涙に野の中の伽藍は赤く荷馬車の車...
中原中也 「春の夕暮」
...嘶く声の果(はて)知らぬ夏野に...
夏目漱石 「薤露行」
...その廊下には塩でも嘗めたい風に放牧の野馬が遊びに来て人なつかしく嘶く...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...遥か後に藤原広嗣が宰府で一声に七度嘶くを聞き尋ね...
南方熊楠 「十二支考」
...またいわく小屋に小馬を入れ戸を闔(とざ)して内に横(よこさし)外に懸金(かけがね)をさし置くに毎(いつ)も小馬が戸外に出居るを不思議と主人が窺(うかが)うに小馬まず自ら(さし)を抜き嘶くと...
南方熊楠 「十二支考」
...その嘶く声の響きは畏(おそ)るべし...
南方熊楠 「十二支考」
...昔神がここへ乗り捨てた馬が故郷を恋うて顧み嘶くのだそうで...
南方熊楠 「十二支考」
...悲しげに嘶く声が...
山本周五郎 「風流太平記」
...とうとう三十頭の馬が皆騒ぎ出したらしく、どかんどかんばりばりと板を蹴破る音、嘶く声、急を呼ぶ人々の叫びが暴風のように、又は戦争のように場内に響き渡った...
夢野久作 「暗黒公使」
...不圖路下の方で馬の嘶く聲がする...
吉江喬松 「山岳美觀」
...馬のひゝんと嘶くのが耳に這入る...
吉江喬松 「山岳美觀」
...秋にむかつて嘶くも...
吉川英治 「折々の記」
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