...栖鳳氏は側(そば)に拡げた紙本(しぼん)に一箇(つ)百円もしさうな唐茄子(たうなす)を描(か)きかけてゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...禿げた頭を唐茄子(トマト)のやうに真つ赤にして...
薄田泣菫 「茶話」
...唐茄子(とまと)のやうな真つ赤な客の顔を見ると...
薄田泣菫 「茶話」
...其処に唐茄子(とうなす)を軒に這(は)わした家があって...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...また唐茄子の赤い実が眼についた...
種田山頭火 「行乞記」
...世にいふ唐茄子や南瓜の形ができあがる...
中勘助 「銀の匙」
...あるとき唐茄子の苗をかつて植ゑたらそだつにしたがひ様子がかはつてきてたうとう瓢箪になつた...
中勘助 「銀の匙」
...唐茄子に糸瓜(へちま)が実ったりして来た...
中野秀人 「第四階級の文学」
...突然唐茄子(とうなす)だと気がついたので独(ひと)りおかしがった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...唐茄子(とうなす)が浄瑠璃(じょうるり)を語る」「面白い話てえのはそれかい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...唐茄子(とうなす)が二ツなっていた...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...唐茄子に乾棹(ほしざお)とられてだよ...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...これなる唐茄子から何が出ますか代価(だい)は見てのおもどり――ハッ来た...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...麦飯を喰(くら)い唐茄子(とうなす)の味噌汁を啜(すす)り...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...中入り過ぎに寅子のチョボで、小仙の松王、海老蔵の源蔵、唐茄子の千代、松太郎の熊谷、もう一人名前をしらないやせぎすの男の敦盛で、これもいっぱいに活かしていてなかなかにコクがあった...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...「放送演芸会で志ん生に『唐茄子(たうなす)屋』なんか卅分も演らせないで...
正岡容 「落語家温泉録」
...君はその唐茄子(とうなす)でも...
吉川英治 「松のや露八」
...唐茄子氏(とうなすうじ)」「はっ」庄次郎は...
吉川英治 「松のや露八」
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