...久助はグビグビと咽喉を鳴らした...
池谷信三郎 「忠僕」
...――よう戻って来た娘の手を握りながら両親(ふたおや)は娘一人ふえたこれからの生活(くらし)を考える正月だと言って餅を鱈腹食うて寝ては居れなかった地主の塀からきこえる景気のいい餅搗きの音に餓鬼どもは咽喉(のど)をグウグウいわせて駄々をこねたお父うが鍬をかついで裏口からコッソリ出かけようとしたときお母あはどう言って泣いたか――三ヵ日にようもまあ...
榎南謙一 「農村から」
...火のやうな酒が咽喉を滑つて...
薄田泣菫 「茶話」
...黒いピンのやうなものが咽喉元に松葉刺しにたつてゐた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...渦(うず)巻く煙に咽(むせ)びながら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...忽然(こつぜん)として天外より江戸湾の咽吭(いんこう)なる浦賀に落ち来れり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...この時ガーッと咽喉(のど)を鳴らして...
中里介山 「大菩薩峠」
...歪(ゆが)んだ顏に嗚咽(をえつ)が走つて手を擧げて指さす...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その端が咽喉(のど)にまきつけてありました...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...と同時に腹ん中の一切の道具が咽喉(のど)へ向って逆流するような感じに捕われた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...肩をふるわせながら咽(むせ)び泣いているさまは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あまりにも微妙な天の配剤に思わず感涙に咽んだに相違ない...
久生十蘭 「魔都」
...西蝦夷の生命をささえる咽喉(いんこう)にあたっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...この町には咽喉(のど)のこはれた烏が二疋(ひき)ゐるんだよ...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...その匂いで咽(む)せるような感じになった...
山本周五郎 「菊千代抄」
...……一度……二度……三度……目にやっとかすれた声で……殆んど言葉をなさぬ言葉が咽喉(のど)の奥から出た...
夢野久作 「暗黒公使」
...衆臣の中から嗚咽(おえつ)がながれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...嗚咽(おえつ)するような声にかわって...
吉川英治 「親鸞」
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