...もうお暇(いとま)にいたしましたら……お別れする前にもう一度お祈りをして」「お祈りをわたしのようなもののためになさってくださるのは御無用に願います」葉子は和らぎかけた人々の気分にはさらに頓着(とんじゃく)なく...
有島武郎 「或る女」
...主の和らぎの福音を説かんことを(哥林多後書五章十八節以下)...
内村鑑三 「聖書の読方」
...習習は春風の和らぎ舒(の)びるかたち...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...一緒に旅をして狭い船へでも乗った時のように和らぎあっていた...
徳田秋声 「黴」
...却って安らかな和らぎさえも覚えるのである...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...多少心が和らぎはしたけれど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...目に見えない位の微(かす)かな和らぎが忽ち顔中に拡がったと思うと...
中島敦 「虎狩」
...寒気和らぎ、洗面の氷水もさほどはこたえぬ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...自から和らぎ行末永く連そいて家の内穏なるは...
福沢諭吉 「女大学評論」
...交際いよいよ広ければ人情いよいよ和らぎ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...神とも世とも和らぎながら暮すべきはずの時代からです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...神とも世とも和らぎながら人となって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...すっかり禿(は)げ上った白髪を総髪に垂らして、額(ひたい)に年の波、鼻隆(たか)く、褪(あ)せた唇元(くちもと)に、和らぎのある、上品な、六十あまりの老人だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...和らぎに充たされた若者の面上には...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...和らぎに見えるのだった...
横光利一 「旅愁」
...あるあきらめめいた秋の日の和らぎのままに美しく眺めた...
横光利一 「旅愁」
...早くもひび割れてゆくように和らぎ通うものを感じて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...和らぎと優しみとに対する心からの憧憬の上に...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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