...世間の寡婦たちがつまらない貞操観に囚はれて味気ないさびしい空虚な日を送りながら果敢(はか)ない習俗的な道徳心にわづかになぐさめられてゐる気の毒さを――...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...その味気ない疲労にもやがて慣れ...
梅崎春生 「Sの背中」
...さすがにこれが吾が身をおく天地かと味気ない思いが先にたった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...いよいよ味気ない思いであった...
太宰治 「乞食学生」
...こんな味気ない夜には...
太宰治 「新釈諸国噺」
...味気ないな、――何に対しても興味がない――、生活意力がなくなつたのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...わびしく味気ない……...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「嫁入り支度」
...科学的ではあるが味気ないものとしてしまい...
中井正一 「美学入門」
...ああ味気ない人生でございます...
林芙美子 「新版 放浪記」
...煙草の吸殻よりも味気ない女...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...味気ないものばかりだが生卵子で流し込む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...味気ないこととあなたは思うでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何年もお逢(あ)いすることのできなかったほど寂しく思われますのも味気ないことでございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おお何とそれはばからしく味気ない馴れ合いであろう!われは死せる獅子の髯(ひげ)を抜くことを欲せず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「あやまちのない人生というやつは味気ないものです...
山本周五郎 「橋の下」
...味気ない空しさでも抱いてるような彼に見える...
吉川英治 「私本太平記」
...一しょに寝てさえ何となく味気ないやらぎこちなくて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...帰りは味気ない夜道になった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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