...名状し難い苦悶を味った...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...この病院(びょういん)の乱脈(らんみゃく)は名状(めいじょう)すべからざるもので...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...小春の日光と空氣の魔術にかゝつて名状の出來ない美しい色の配合を見せて居た...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...わたしはどんなに神に祈ったかしれない! 名状しがたい憂愁をいだきながら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それは一寸名状し難い気持だった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...彼女は名状し難い戦慄を覚えた...
豊島与志雄 「二つの途」
...歔欷流涕(きょきりゅうてい)という文字だけでも名状し難いすすり泣きと昂奮とで...
中里介山 「大菩薩峠」
...名状しがたい覚悟をなして...
中原中也 「在りし日の歌」
...僕はその時高木から受けた名状しがたい不快を明らかに覚えている...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...同地の混乱は名状すべからざる状態にたちいたった」同日...
久生十蘭 「泡沫の記」
...この潔白な男が本藩の政庁に対しては不潔白とも卑劣とも名状すべからざる挙動(ふるまい)をして居ました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...手枷足枷と云はうか名状し難い強さで絞めつけられて来て...
牧野信一 「女に臆病な男」
...それは何とも名状し難い不思議な...
牧野信一 「心象風景」
...私は何とも名状し難い薄気味悪い風にあふられて...
牧野信一 「創作生活にて」
...それとも柔らかい名状しがたい別な生きものであり...
室生犀星 「幻影の都市」
...名状すべからざる渦流の彩光を描いているのが...
吉川英治 「新書太閤記」
...何とも名状しがたい卒伍(そつご)の感情をふくんでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...なんと名状しようもない――耳を掩(おお)わずにはおられない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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