...或る名状し難き衝動を心の底の底に感じた...
石川啄木 「葬列」
...人は名状し難き歓喜を味うのだ...
江戸川乱歩 「悪霊」
...あの名状すべからざる大混雑の中から不思議にもけがひとつせずににげだしたのであった...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...一種名状しがたい悔恨の情が彼の胸を疼(うづ)かせた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...何かしら名状しがたい感じで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...あの右の手の何とも名状の出来ない活きた優雅な曲線と鮮やかに紅い一輪の花が絵の全体に一種の宗教的な気分を与えている...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...が多分私の顔にはある名状し難い表情が浮んだに違いない...
豊島与志雄 「運命のままに」
...何とも名状しがたい気持ちを抱いて...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...――名状し難い恍惚を感ずると……私は眼が醒めてゐた...
牧野信一 「痴想」
...僕は名状しがたい嬉(うれ)しさに雀躍(こおど)りしながら...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...」メイ子も名状し難い面持で両掌で胸を圧えながら...
牧野信一 「バラルダ物語」
...そして一同が名状し難い深刻な表情を保つて...
牧野信一 「まぼろし」
...(滝には名状し難い!)もつと微々たる...
牧野信一 「昔の歌留多」
...この名状しがたい感覚を...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...つまり名状とまでゆかない生々(なまなま)したものだ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...名状のできない困難に遭逢したのであった...
山本実彦 「十五年」
...もう一つの名状し難い臭いの方はさっぱり判らなくなってしまった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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