...また古めかしい風見を...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...世の人たちは万葉崇拝(まんようすうはい)をいたずらに古めかしい趣味ででもあるように見なしていた...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...青いツタのおいしげった古めかしい煉瓦(れんが)づくりの建物の中にあった...
海野十三 「海底大陸」
...世に忘れられた様な古めかしい商家などが軒を並べている中に...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...蒸気機関のごとき古めかしい物の広告さえほとんど出ていない...
丘浅次郎 「民族の発展と理科」
...何か古めかしい話を聞く事が出来るかも知れないと思つた...
太宰治 「津軽」
...あのシトロン君はまだ聖ケヴィンズ・パレードに達者で勤めているかしら? またあの古めかしい琵琶を持ってるマスティアンスキ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...音楽を閑人(ひまじん)の業(わざ)だと考える古めかしいフランス人だったのである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深尾は丸ノ内仲之通の古めかしい赤煉瓦の建物の中にある薄暗い社長室を愛していた...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...古めかしい城壁のように立並んでいる...
久生十蘭 「南極記」
...まことに古めかしい言葉だが...
秘田余四郎 「字幕閑話」
...高い古めかしい爐棚(ろだな)に頭を支へたこの部屋の盲目の主の姿が見えた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...年寄や婦子供のみの古めかしい屋根の下に行灯や雪洞の光りのまはりで寂しく蟋蟀のやうな日夕を送り迎へてゐた者共にとつては...
牧野信一 「熱海線私語」
...只入江のほとりの古めかしい大きな家の二階にあんな弟妹の住んでゐるのが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...やはり前生の約束事だろうと思う」などと古めかしい御勧告をあそばすのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...豫(か)ねて聞いてゐた樣に酒類を商ふ古めかしい店構へであつた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...横領(よこりょう)などという古めかしい名の村を過ぎると...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...緑布をかけた長方形の卓子(テーブル)や数個の古めかしい椅子などで室が一杯になっている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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