...活きた私語と口づけとを得るために...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...口づけて飲む山の水には及ばないけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...もう大丈夫! もう治つた!』かう言つて若い母親の悲しい口づけのあるあとを呉葉は經く撫でゝやつた...
田山花袋 「道綱の母」
...吃驚して逃げようとするのを無理に押へてきつく抱緊めたり口づけしたりしたことを思ひ起した...
田山花袋 「道綱の母」
...そして彼がぎらぎらと異樣に輝く眼差しをひたとナーヂャに向けたまま、小曲の最後の一節――今ははやためらいもなく御身の眼に見入りて、睦言を耳に聞く力も失せつ、唇(くち)さし寄せて、われ欲りす、口づけを、口づけを、口づけを!われ欲りす、口づけを、口づけを、口づけを!を歌い終えた時、ナーヂャはほとんど畏怖のためぶるっと身を顫わして、心もち身をすさったほどであった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...河波はひたひたと柳の枝に口づけをしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人が口づけする時腕で抱き合うように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...辛(から)きこの世にあまく得てしか熱き口づけ「これは少々僕には解しかねる」と主人は嘆息しながら迷亭に渡す...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...愛は百度もその額(ひたい)に口づける...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...まるで子供のやうにミツシヱルは寒子の頬に口づけて...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...代訴人の服に口づけをして...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...何としてもその手に晴れやかな口づけをすることが出来ません...
牧野信一 「舞踏会余話」
...われそなたに口づけせん...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...針のごとくこわき髯ある男に口づけせんよりは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...われをして汝の白髪に口づけせしめ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...日の脚(あし)に口づけんとす...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...アウギユスト・ロダンはこの帽の下(もと)にて我手(わがて)に口づけ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...彼すらすぐ飛びついて口づけたい誘惑を泉はたたえていた...
吉川英治 「三国志」
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