...……猶(なお)も船の纜(ともづな)に取りつき...
芥川龍之介 「俊寛」
...取りつき端(は)に困つてしまひましたから...
芥川龍之介 「雛」
...我々はたとえてみれば一つの岩の取りつき方を研究している連中のようなものである...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...東京監獄の大玄関の取りつきの右側で...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...もう少し考へさしてくれ』さう云はれると逸子は取りつき端もない心細さを感じるのだつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...甘脆(かんぜい)軽快な読物にのみ慣れた読者には取りつきにくい点がなくもない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...少数の人はそこからまた新しい上り坂に取りつきあるいはさらに失脚して再び攀上(よじのぼ)る見込のない深坑に落ちるのであろうが...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...取りつきかかる正雄の顔を見ていた...
徳田秋声 「足迹」
...腕から辷(すべ)って羽織の裾に取りつき...
中里介山 「大菩薩峠」
...揉手(もみで)をして取りつき...
中里介山 「大菩薩峠」
...取りつきどころもないが――実は僕も教頭として君のためを思うから云うんだが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...取りつき場もない程...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...非常に漠然と取りつき場もなく擴がつてゐるやうに思はれた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それでもあまりに取りつき場のないのに氣がついたやうに...
水野仙子 「嘘をつく日」
...すっ裸で仕事に取りつきます...
山本周五郎 「さぶ」
...しょせん甲冑(かっちゅう)では取りつきようもなく...
吉川英治 「私本太平記」
...取りつきにくく無口でいた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お米も取りつきようがない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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