...さも厳めしい実質を備えたらしく立ち現われるのだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...男は怖いものでも厳めしいものでも無く...
伊藤野枝 「新らしき婦人の男性観」
...それは徒(いたず)らに厳めしい塀と...
海野十三 「地球盗難」
...「此処から入りますよ」一つの厳めしい門がすぐきた...
田中貢太郎 「蘇生」
...まだ頭の中に残ってる刑務所内の生活、厳めしい建物、陰欝な空気、看守の顔、そういうものに対照して、何と娑婆の世界が輝いてることか...
豊島与志雄 「川端柳」
...厳めしい父の顔が現われた...
豊島与志雄 「蘇生」
...すると、彼の顔は急に真面目な、厳めしい、気もちの好い表情になったのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...屹と女乗物の金鋲厳めしい扉を見据えて詰め寄りました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...もう一人のほうは厳めしい口髭を貯えていた...
久生十蘭 「金狼」
...白金(プラチナ)よりも堅く厳めしい大氷原のただなかで...
久生十蘭 「南極記」
...然しどうも」巡査部長は厳めしい紋切型で...
久生十蘭 「魔都」
...ボール紙の鎧甲に身を固めた厳めしい武士が...
牧野信一 「南風譜」
...気を付ケ! 番号! などといふ厳めしい号令がかかつた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...鼓手は飽くまでも厳めしい力を込めて他の稍ともする浮き調子に...
牧野信一 「村のストア派」
...それは恰も国境を警備する番兵のやうな厳めしい顔をして...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...私は花崗石の厳めしい門を潜(くぐ)ったとき烈しい胸さわぎと辱しめとを殆んど同時に感じた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...厳めしい顔をふり向けて...
若杉鳥子 「浅間山麓」
...厳めしい漢文で長々と書かれてはいるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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