...われわれはまた諸君のために決して犬馬の労を厭うものではない……」拍手の音は寥々たるものであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...浜までは時雨を厭うて簑をきる...
高神覚昇 「般若心経講義」
...私に顔を合わせるのを厭うていたのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...上高野の山へ集って来たからにはどうせ世を厭う人々ではありながら...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...凡俗の行をなすを厭う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...私は妻の肩揉むことも厭うたではないか...
外村繁 「夢幻泡影」
...十五十月六日――俺は死を厭うものではない...
豊島与志雄 「反抗」
...骨身を砕かれても厭うところではございませんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...マリヤンが田舎住いを厭うので...
中島敦 「環礁」
...老いを恐れ厭うことの心理においては...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...あたかも人間の眼に触れるのを厭うように...
久生十蘭 「海豹島」
...其挙動を見聞して厭う可(べ)き者あれども...
福沢諭吉 「女大学評論」
...生涯父母の喪にいるがごとくなるもまたはなはだ厭うべし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...幕府人の無法を厭う...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...橘 (傍白)「死ぬのを厭うこの身の上とは...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...その葉にも花にも茎にも厭うべき一種の臭気がある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...何ぶりなどと詠ずる者多くは卑俗厭うべし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...地上の生き物にとっては未踏であり不吉な稲妻のみが訪れ極地の夜を切り裂く怪光を平原へと送る地――原初の伝説が嫌々仄めかす所の厭うべきレンの彼方にある恐怖の地...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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