...河骨(こうほね)も卯の花も誘われて来て踊りそうである...
泉鏡花 「遺稿」
...卯の花のたえ間をここに音信(おとず)るるものは...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...初め居士の神戸病院に入院したのは卯の花の咲いている頃であったが...
高浜虚子 「子規居士と余」
...少し色剥げたる厚塗の立烏帽子に卯の花色の布衣を着け...
高山樗牛 「瀧口入道」
...茶店で食べた鰯の卯の花鮨はうまかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...卯の花も散りはて...
田山花袋 「道綱の母」
...暑い日影が山ぞひ路の卯の花の白い叢を照してゐるだらう...
田山花袋 「道綱の母」
...卯の花の白く籬に咲いてゐるのがそれと夕暮近い空氣の中にくつきりと出てゐた...
田山花袋 「道綱の母」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
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野口雨情 「都会と田園」
...なげきつつ明し暮らせばほととぎすこの卯の花のかげに啼きつつまあ...
堀辰雄 「ほととぎす」
...卯の花の蕾がほころびて散り...
牧野信一 「緑の軍港」
...その中に少しばかり卯の花の絶えたる処こそ門ならめと推量したるなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...城春にして草青みたりと笠打敷きて時のうつるまで涙を落し侍りぬ夏草や兵どもが夢の跡 芭蕉卯の花に兼房見える白毛哉 曽良」私はかくして芭蕉師弟が夏草に坐して涙を流したる心境の一部に接することの得たことを喜ぶのである...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...暮れのこる卯の花に...
吉川英治 「江戸三国志」
...「さぞかし、今年は加茂の御幸(みゆき)(五月の祭)も人出を見よう」「本院(後伏見)、新院(花園)一品(いっぽん)ノ宮、女院方まで、みなお揃いでお出ましとか」家々では、物見車の塗りかえをさせるやら、女たちは女たちで、晴れ衣裳を拡げ出しては、藤、山吹、卯の花、撫子(なでしこ)、とりどりに取り散らし、色襲(いろがさ)ねの品評(しなさだ)めに、今から憂き身を窶(やつ)し合うなど、およそ持明院派の公卿で笑いの洩れぬ門はなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...卯の花のよろいとか...
吉川英治 「随筆 新平家」
...遠目にも眼を射らるるような卯の花...
吉川英治 「日本名婦伝」
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