...あのとおり十人並み以上な娘じゃないか...
伊藤左千夫 「春の潮」
...たまにちよツと十人並みのが來たと思へば...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人には正確を要求する十人並みの人間のすることとは全く反対であったのである...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...身なりだって十人並みだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...余は物陰にかくれて其樣子を見ざりしかど、年は三十前後、容貌十人並、住所姓名は口にせざりしと云...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...容色(きりよう)だつて十人並(なみ)より可(い)いぢやありませんかと梅子が云つた...
夏目漱石 「それから」
...容色(きりょう)だって十人並より可(い)いじゃありませんかと梅子が云った...
夏目漱石 「それから」
...なまじい容色が十人並以上なので...
夏目漱石 「明暗」
...中には目鼻立のやや整ったに過ぎない十人並の「所謂(いわゆる)美人」も少(すくな)くはありませんでしたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...十人並と言つたのさへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何となく艶(なまめ)かしい十人並に優れた美しさです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...容貌(ようぼう)も十人並...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人間十人並の一生であり...
萩原朔太郎 「名前の話」
...身体が頑健で、仕事が出来、男ぶりも十人並、親を大事にし、娘を可愛がってくれる男が欲しい...
火野葦平 「花と龍」
...人に勧め又人の同意を求めるなどは十人並に遣(や)りながら...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...かういふいゝ氣持を感じながら、思ふ存分温かい汐風に浸つて、腦裏の塵埃を拭つて、胃の働きをもよくして、家へ歸つて午餐の膳に向つて、新鮮な魚介や蔬菜を味ふ時は、十人並に、生きとし生けるものゝ刹那の幸福が感ぜられるのであつた...
正宗白鳥 「吉日」
...彼女の容貌もごく十人並であった...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...容貌はまず十人並だが...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
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