...それは窓ごとに火(ほ)かげのさした十二階の聳えてゐる為に殆(ほとん)ど荘厳な気のするものだつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...十二階の裏手に当る近所を...
岩野泡鳴 「耽溺」
...何階あるんだ」「地上が十二階だとさ...
海野十三 「一坪館」
...もう第十二階選士になられたのですから...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...十二階へ御昇りなすったことがおありですか...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...十二階へ昇りまして...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...この十二階の建物は半カ月ばかりの後に爆薬で破壊してしまった...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...十二階の前から、池の汀(みぎわ)について、オペラ館の四つ角へ出ると、イルミネーションとアーク燈の光が厚化粧をした私の顔にきらきらと照って、着物の色合いや縞目(しまめ)がはッきりと読める...
谷崎潤一郎 「秘密」
...其の後には公園の十二階が...
谷崎潤一郎 「幇間」
...やがて真直に浅草公園の十二階下に出る千束町二三丁目の通りである...
永井荷風 「里の今昔」
...――十二階段、平行棒、飛越台、木馬、棚、幅飛び、棒飛び、梁木、遊動円木、天秤台、機械体操、射撃場、名前は忘れたが、穴の上に丸太が渡してある処――その上で二人の者がそれぞれ一本の腕で争ひ穴の中へ落し合ふ場所である丸太橋――...
牧野信一 「或る日の運動」
...同廿二年盛夏改稿)十二階懐古これやこのピサの斜塔にあらねども凌雲閣はなつかしきかな...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...十二階頂上の四方には厳重の金網が貼り巡されてゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...二の酉や十二階儚(な)き空の青(昭和十七春稿...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...帽子の塵(ちり)を払いて下車の支度をなす中に心の急かるる大原の母は姪(めい)のお代に向い「モー向うに見えるのが浅草の十二階というものだよ...
村井弦斎 「食道楽」
...かれは十二階のラセン階段を上って行った...
室生犀星 「幻影の都市」
...だが私は十二階の塔を見上げたときは...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...十二階下歩き吉原散歩など覚え...
吉川英治 「年譜」
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