...労せずして国宝を我が物とした...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...いわゆる重役連の労せずして高級を食(は)む不合理を憎むからである...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...大会社や大工場の重役等が労せずして高給を食むに反し...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その句から受ける表面的な事実は少しも心を労せずして流れる如く心に受取って...
高浜虚子 「俳句への道」
...地主の家に生れて労せずして様々の権利を取得していることへの気おくれが...
太宰治 「花燭」
...野の百合(ゆり)は如何(いか)にして育つかを思え、労せず、紡(つむ)がざるなり、されど栄華を極めしソロモンだに、その服装(よそおい)この花の一つにも如(し)かざりき...
太宰治 「鴎」
...根本の事項さえよくのみ込んでいればそれに連れた枝葉の点などはさほど労せずとも...
寺田寅彦 「わが中学時代の勉強法」
...おのずから労せずして江戸の昔と東京の今とを目(ま)のあたり比較対照する事ができるからである...
永井荷風 「日和下駄」
...すなおにこうこうと教えてあげたらいいじゃないの」「苦労せずに教えられたことは忘れやすい...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...四体を労せず実事に従わず空理空論に日を暮(く)らしている人らしいな...
中島敦 「弟子」
...労せずして討たんと隙(すき)を伺う)鳥羽田 (無言...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...心を労せずにこれにたずさわるということはすこぶるむつかしい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おかげでわたしは自分の諸情念を抑えるのにしばしば苦労せずにすんだというのでもない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが稲作の収穫の労せずして豊富な世の中を意味することは...
柳田国男 「海上の道」
...力を労せずして隣国の悠長(ゆうちょう)閑雅(かんが)の趣味を知り習うことを得たのである...
柳田国男 「雪国の春」
...これは労せず招かず猟場に出てくれた鹿や猪(しし)と同じではないか」「ははあ...
吉川英治 「三国志」
...私としては多少の校訂を見ただけで何も労せず刊行をみたものでした...
吉川英治 「随筆 新平家」
...知らるることに心を労せず...
和辻哲郎 「孔子」
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