...判然としないまま男はだるそうに眼を閉じた...
梅崎春生 「日の果て」
...高城の声が風に飛ぶので判然としないらしい...
梅崎春生 「日の果て」
...塀の上の目鼻も判然としない杓文字(しゃもじ)に似た小さい顔が...
太宰治 「春の盗賊」
...等々のことは余り判然としないのであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしまだ雌雄の区別が素人目(しろうとめ)にはどうも判然としない...
寺田寅彦 「あひると猿」
...それすら判然としないようなところにも現れる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...文芸と文献(フィロロギー)との区別は概念上あまり判然としない伝統が存在している...
戸坂潤 「認識論としての文芸学」
...眼と口は判然としない...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...私といえども判然としない...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...恋の相手を判然としないところにある...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...他人には判然としない競技中の姿のが一枚壁に貼りつけてある筈だが...
牧野信一 「女に臆病な男」
...ついに彼と運命をともにしてしまったから判然としない...
正岡容 「わが寄席青春録」
...寅どしか午どしか判然としないのは...
山本周五郎 「青べか物語」
...勝子と良江とが、亭主たちのことにまったく無関心だったかどうかは、判然としない...
山本周五郎 「季節のない街」
...この寒藤がA紙の政治部にいたときだな」どういうことがきっかけになったのか判然としないが...
山本周五郎 「季節のない街」
...銭か物かは判然としないが...
山本周五郎 「さぶ」
...原因についてもこれも判然としないが...
横光利一 「旅愁」
...(俺が強いのか、先が弱いのか)彼にはまだ、判然としない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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