...」と二少年はもうそろそろ騒ぎ初める...
江見水蔭 「月世界跋渉記」
...まあそんなことにして初めるとしよう...
相馬泰三 「六月」
...この家も近く宿屋を初めるつもりらしい...
種田山頭火 「行乞記」
...秋風が立ち初める...
寺田寅彦 「怪異考」
...貞子の腋の下を緩くり擽り初める...
外村繁 「澪標」
...残りの二本じゃあ家の三人の子供等がまた喧嘩あ初めるかも知んねえ...
豊島与志雄 「狐火」
...或る所では家を立て始める時斧を使ひ初める大工が或る鳥又は獸の名を呼ぶ...
南方熊楠 「人柱の話」
...水のように湧(わ)き出して私は物の哀れを知り初めるという少年のころに手飼いの金糸雀(かなりや)の籠(かご)の戸をあけて折からの秋の底までも藍(あい)を湛(たた)えた青空に二羽の小鳥を放してやったことがある...
水上滝太郎 「山の手の子」
...種のきたのは内儀さんが床の上の暮しを初めるようになってからであった...
矢田津世子 「神楽坂」
...仁輪加を初める奴があるか……」しかし篠崎仁三郎はどこへ行ってもこの調子であった...
夢野久作 「近世快人伝」
...愉快な音楽に合わせて一斉に舞踏を初める……...
夢野久作 「暗黒公使」
...大方女でも出来たんだろうよ……今気が付いたんだが……もうぼつぼつ初める年頃だからな...
夢野久作 「暗黒公使」
...ピアノを弾き初めると妙に眼を白くして天井を見てアクビみたいな声を出して...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...金切声を振り絞り初めるのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...十日(とをか)目にアラビヤと亜弗利加(アフリカ)が稍(やゝ)近く見え初める様に成つて夜間は毛布を重ねて寝る必要があつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...渦の中へ巻き込まれるように急にグルグル廻り初める...
吉川英治 「江戸三国志」
...夫婦喧嘩などやり初めると...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...話を初めると美しいことばが美しい動作に伴なわれて...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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