...姉(ねえ)さんが、初々しい、しおらしい事を、お聞きなせえ、ぽうッとなって、(まあ、あんな事、私は奉公人なんですよ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...そこへ島田に結った初々しい魂が...
泉鏡花 「怨霊借用」
...初々しい牧歌的なものだったのでしょう...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...新しい木綿着物のそれも紅をぼかしたうこん染の袷か何かを着ている初々しい花嫁の姿を描きとってある...
中谷宇吉郎 「民族的記憶の名残」
...相手の女は初々しいSpasme(スパズム)を以て私を攻め立てて来ましたが...
西尾正 「陳情書」
...彼女がつくらずして可憐であり初々しいのだ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...高島田の髮も初々しい...
林芙美子 「或る女」
...赤ん坊の泣き声のような初々しい文字が瞼に光る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...里子の初々しい姿がしつこく眼の中をうろつきまはつてゐる...
林芙美子 「瀑布」
...初々しい妻のことだの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...十五歳の初々しい蝶々さんになって...
三浦環 「お蝶夫人」
...心がそれに向つて激しい鼓動をして――さぞ黎明の初々しい勇ましさが有つた事であらう――ゐる時に...
水野葉舟 「言文一致」
...重吉とサヨが結婚して間もなかったころの初々しい朝の目覚めの中へ...
「朝の風」
...このよろこびの中には何とも云えず新鮮で初々しいものがある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...初々しい朝の目醒めのなかできいたものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...眉の初々しい若者だ...
矢田津世子 「凍雲」
...二十五だというのにお酌みたいに初々しい内気な女であった...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...初々しい紫の上との関係や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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