...こうして気を静めて自分の思想の出どころを考えてみると...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...が少し音の出どころが違うようである...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...正式の夫であるならあるいはせめて情夫としての待遇(たいぐう)を受けているなら文句の出どころはなかったけれども表面はどこまでも手曳きであり奉公人であり按摩から三介(さんすけ)の役まで勤めて春琴の身の周りの事は一切取りしきり忠実一方の人間らしく振舞(ふるま)っているのを見ては...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...「おいらも、本当のところは、この土地の人間じゃあねえんだから、よく地の理を知らねえんだ、だが、この土地は、江州の長浜といって湊(みなと)になってるんだから、船つきも、船の出どころも、いくらもあるよ、どこがりんこの渡してえんだか、おいらは知らねえが、竹生島というのは眼と鼻の先なんだ、頼んでみたらいくらも船は出るだろう」「そうおっしゃるあなたは、もしや米友さんではございませんか」「え、え、おいらを米友と知ってるお前は誰だい」「わたしは弁信でございます」「弁信?」「はい、米友さん、あなたのお名前は、お銀様からも、お雪ちゃんからも、絶えず聞いておりました、わたくしは、やはりあの胆吹山の京北御殿に厄介になっている弁信でございますよ」「ははあ、そうか、お前があの弁信さんか」と、米友も合点(がてん)がゆきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...出どころが確かなものだぜ...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかも學費の出どころが無くは一段と難義ではなきか...
一葉 「暗夜」
...噂の出どころを究明してくれるつもり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...風説の出どこもまるで荒唐無稽(こうとうむけい)ではないんです」「先生が……では先生がそんなことを……」彼女の表情にはまぎれもない憤怒(ふんぬ)の色が漲(みなぎ)った...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...出どこは知らん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...志賀の意見の出どころが...
三好十郎 「恐怖の季節」
...わたしは次の話の出どころを知らないが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もし人がそこにわたしが積み重ねた詩句や実話の出どころを知りたがるならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...笠無くば加賀野にござれ加賀野は笠の出どころ蓑(みの)なくばみなとにござれみなとは蓑の出どころこれはもちろん頭韻の面白味から...
柳田國男 「地名の研究」
...またその材料の出どころもべつであった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...その急使の出どころと...
山本周五郎 「山彦乙女」
...いやその国費の出どころにも...
吉川英治 「私本太平記」
...惟任(これとう)どののうわさなども、出どころは、ひょっとしたら先頃帰国したという甲府筋の者ではないかな...
吉川英治 「新書太閤記」
...その出どころは「本朝画纂」の記事である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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