...嵐、凪(なぎ)、霧、雨、雪、花、季節による色彩のうつり変り、穏かな河、とどろく滝、飛ぶ鳥、跳ねる魚、そそり立つ峰、深い渓谷――自然のすべての形相は、単に嘆美されるのみでなく、数知れぬ写生図やカケモノに描かれるのである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...風はまったく凪(な)げて静かな夜となった...
伊藤左千夫 「廃める」
...御承知の通り昨晩は凪(なぎ)でしたので...
大阪圭吉 「死の快走船」
...どうして高知や瀬戸内海地方で夏の夕凪が著しく...
寺田寅彦 「夕凪と夕風」
...今日の凪(なぎ)を地曳(じびき)すと立ち騒ぐ漁師(りょうし)...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...凪(な)ぎつくした静穏に封じ込められて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雨が止み雷鳴が消え風が凪いで...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...その夕凪(ゆうなぎ)と朝凪(あさなぎ)とで名を得た海であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...海は今日も凪(な)いで美しい色だつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...乱舞も大方凪(な)いだ頃...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の怒は漸(ようや)く凪(な)いで...
野村胡堂 「死の舞踏」
...風が凪(な)いで油のやうに動かない海面に浮ぶ二艘の船を私は...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...冬の南海には珍らしいほどの凪ぎで...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...明るい凪は珍らしい...
牧野信一 「円卓子での話」
...大海全体を凪(な)ぎ静まらせ平らかにして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...夕凪(ゆうな)ぎどきの湿気が...
山本周五郎 「山彦乙女」
...皮肉にも東南風(たつみ)すらだんだんに凪(な)いでいた...
吉川英治 「三国志」
...いつのまにか白々と朝凪(あさなぎ)をたてている...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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