...弟が早速凪(な)いでゐる渚(なぎさ)でせつせと砂山を作る...
犬養健 「愚かな父」
...幸い海はよく凪(な)いでいたけれど...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...昭和二十一年九月十一日小諸山廬(こもろさんろ)にて高浜虚子昭和十六年初凪(はつなぎ)や大きな浪のときに来る一月元日由比(ゆい)ヶ浜(はま)散歩...
高浜虚子 「六百句」
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種田山頭火 「旅日記」
...風もすっかり凪(な)いでしまったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...風が早く凪いで鮭が川に入って来ることが出来るようにと...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...「いい凪(なぎ)だね!」海は実に凪(な)げるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...午後になって風はようやく凪いだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それはこの辺で珍らしい凪ぎに出逢つたからでございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...朝凪(あさな)ぎながら海近い空気の冷たさであったのか...
本庄陸男 「石狩川」
...身肌のひき緊(しま)る夜明けの静かな凪(な)ぎのなかであった...
本庄陸男 「石狩川」
...凪(な)ぎきった川の面では...
本庄陸男 「石狩川」
...凪いだ水の上に銀色に映えてゐた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...西風の凪(な)いだ後の入江は鏡のやうで...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...数日の荒れが凪(な)がないせいか...
吉川英治 「私本太平記」
...夜明けになれば凪(な)ぎるであろう」「はい……お案じ下さいますな」「よいか」「大丈夫でございます」「前の所へ戻って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...凪(な)いだ海の底を...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ぺたりと凪いで、池の様に静まっている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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