...すなわち二十、二十一節にいう「たとい我れ正しかるともわが口われを悪しとなさん、たとい我れ全(まった)かるともなおわれを罪ありとせん、我は全し、されども我はわが心を知らず、わが生命(いのち)を賤(いやし)む」と...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...そして完全してゐるものはない...
田山録弥 「小説新論」
...「根本的で完全した知識」などと考えられるのも...
戸坂潤 「科学論」
...瓦全した作品と玉砕した作品との区別がつかなくなる...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...日本の警察制度が世界無比に完全していることである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...その神(シン)いよいよ全し」というような...
中井正一 「美学入門」
...故に上に所謂二種の別は、仮令立君の国と雖も、君権完全ならざれば、其政体乃ち協和なり、邦国統治の権国会に偏倚して宰相は、国会の衆寡に依り、進退せらるる者協和なり、到底欧州現今の形勢にて、漸次君権を削弱し、政府たる者は、国会の臣僕の如き姿に堕り、統治の実権、帰する所なきに至つては、国権を拡張し、民庶の幸福を保持する所以に非ず、故に君主立憲にして、君権を完全し、立法行政両立並行の組織を固定せん事を期す...
蜷川新 「天皇」
...最も完全した最も調和した植物叡智の表現を見る...
牧野信一 「卓上演説」
...わたしらはあなたの国では、正しい詩人は舌をひっこぬかれると聞いたわたしらはなお聞いた―――資本をつなぐ軍部と軍閥の鉄道の上にひっこぬかれた詩人らの舌がわたしらの故郷の海のさん/\たる珊瑚珠のように、串刺しにしてさらされてあるのを荒らされた珠は、海の青さの海で真紅に燃えていたその一粒々々は揺れ合い折れ重なり、嵐の中で彼自身の地肌を完全に保存したわたしらえの侵害をあなたらの禦いだのには及ばなかったが根限りあなたらえの侵害を守ろうとしそして囚われの中でわたしらはなお聞いた―――大陸の都市と村々をどよもす風のさゞめきの陰でさらされた舌が一様にひるがえり、紅旗の歌を奏でつゞけるのをどんな日と、寒さと、洪水が、あなたらの朽ちえぬ紅さを、高く保全し、そしてかたみに押しひろげえなかったろうかあなたらの国とわたしらの国ではどちらも一篇の詩が牢獄か牢獄に値するそして書く隙と、書く自由をもたぬ詩人たちが、どんなに多いことだろう!あなたらとまたまた歌いぬこう―――異郷に捧げられた詩誌の上にあなたらの国のはてに築かれたあの偉大な黎明が、あなたの歌を明瞭にわたしらの耳に響かしめうる日まで...
槇村浩 「異郷なる中国の詩人たちに」
...「科学的定義を完全し」云々の語あれども...
正岡子規 「人々に答ふ」
...完全した上に更に蛇足(だそく)の画賛を添へるのが心得ぬ事である...
正岡子規 「病牀六尺」
...遙拝所の十八建築なければ設備全しと言うべからずとて...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...完全した台所がなくとも七輪やテンピさえあればこの位まで上等な料理が出来るという事を見せる方が来会者の心得になります...
村井弦斎 「食道楽」
...(b)自己を保全し指導する知恵は我々の危惧によって目覚まされる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鑑賞もここまで入れば全しである...
柳宗悦 「工藝の道」
...天下の理一をもって全しとする...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...心極はこれで彼の手にも完全した...
吉川英治 「剣難女難」
...彼の計画は完全した...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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