...兎も角も自分はこれに就いて一点疚(やま)しい処のないのは明白な事実だ...
石川啄木 「雲は天才である」
...それで、村の入口に入るや否や、吠えかかる痩犬を半分無意識に怕(こは)い顔をして睨み乍ら、脹(ふや)けた様な頭脳(あたま)を搾り、有らん限りの智慧と勇気を集中(あつ)めて、「兎も角も、宿を見付ける事(こつ)た...
石川啄木 「赤痢」
...兎も角彼の提案を容(い)れることにしました...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...兎も角遺して置くといふことを斷わつて居る...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...兎も角も、家の屋根の如き、天日を強く受ける所や、その他の燃える恐れの有る物件は、燃えぬ品物を以て蔽(おお)う用意をするが好(よ)かろう...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...「兎も角、手を付けて見よう」「有難てえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...太吉と書き添へてある」「兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...善惡は兎も角江戸の町人のそれは常識だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角もきり上げる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大きな地震でもあれば兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...傷の深い淺いは兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角も自分の命を自分で斷つ氣になつたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...匕首の持主は兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角も働き者と言つて宜いでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角外へ出ませう」八五郎に促がされて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...常識的な何かに囚はれてゐる見たいな――兎も角...
牧野信一 「F村での春」
...そんなこと何うでも好い、兎も角、妾、あのお父さんの顰(しか)め顔だけが滑稽だわ...
牧野信一 「南風譜」
...」兎も角、世にも不思議な間断なき騒ぎを含んだ街角の一軒の酒場である...
牧野信一 「山彦の街」
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