...」――天に近い山の上にクリストの彼に先立つた「大いなる死者たち」と話をしたのは実に彼の日記にだけそつと残したいと思ふことだつた...
芥川龍之介 「西方の人」
...僕等が祈念してゐた寿に先立つて...
辰野隆 「浜尾新先生」
...何かかかる物質的なものが私の外に存在するかどうかを調べるに先立つて...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...いうならばこの関係はカント的範疇を超越し之に先立つのでなければならない**...
戸坂潤 「科学方法論」
...この意味に於てそれは何かに論理的に先立つものと一応考えてよいであろう...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...露(あら)わな名声に先立つ隠れたる名声があり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...車夫の草鞋を廃してゴム底足袋を用うるに至りしはゴム輪に先立つ事数年なりしが如し...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...先立つものは金だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...先立つ物は何より金...
南部修太郎 「死の接吻」
...物体の「別個な」存在の所信に先立つ...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...その後れ先立つ有様を面白く思つて見てゐました...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...死に先立つところの死苦をはつきりと知つてゐた...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...「僕達は夫々馬を所有することが――決つたので――」堀口等に先立つて竹下が云つた...
牧野信一 「南風譜」
...また実にそれに先立つ我が歴史の全期間に亙って...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...事實は意識されるに先立つて存在となる...
三木清 「歴史哲學」
...先立つ概念がなければ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...彼は肉体よりも先立つ自分の心の危険さを考えた...
横光利一 「上海」
...ことに能面の時代に先立つ鎌倉時代は...
和辻哲郎 「能面の様式」
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