...現実主義に偏する傾向が顕著である...
石原莞爾 「最終戦争論」
...科学に偏するスペンサーの哲学の如きも或る程度以上は決して推服していなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...直ちにこれに走ってこれのみに偏するごとき弊を避けることもできよう...
丘浅次郎 「民族の発展と理科」
...ことに彼の経験では有為な徹底的な人間は往々一方に偏する傾向があるというのである...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...たとえいくらか批評の見地が偏する恐れはあっても...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...彼は十九世紀後半(嘉永以後)に輩出したる多数の浮世絵師の如きは全くこれを顧みざりしといへども決して一派一流の画家にのみ偏する事なく広く各派の一般を見しかして後(のち)常に見識ある美術史家のなすが如く各流派の中(うち)よりその代表者と見るべき比較的少数の画家を選び出(いだ)せり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...或は耳のそれに偏すると言われますが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ただに自愛に偏するのみならず私曲私慾の最も甚だしきものにして...
福沢諭吉 「日本男子論」
...口に言いながら心に偏する所があって一身の利害に引かれては迚(とて)も公平の説を立てる事が出来ない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...九分は皆この一方に偏する者なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...空想に偏する者は目前の山河郊野に無数の好題目あるを忘れて徒(いたず)らに暗中を模索するの傾向あり...
正岡子規 「俳諧大要」
...あるいは余の性簡単を好み天然を好むに偏するに因(よ)るか...
正岡子規 「病牀六尺」
...ただ君の嗜好の偏するにつきて平生意見の衝突すれども直に言はれざりし不平をここに僅(わず)かに漏らすのみ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...それがむしろ好ましくない方面の陳述に偏することは当然予期せらるべきことである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...これは世医の補に偏するを排せむと欲して立言したものである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...槲の林のこと話はやや北方に偏するけれども...
柳田国男 「雪国の春」
...偏すること無く変る...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...英人が先(ま)づ運輸通商の便を計つて新領土の民心を収めようとする遣口(やりくち)は兎角(とかく)武断の荒事(あらごと)に偏する日本の新領土経営と比べて大変な相違である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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