...霜の川浪照添(てりそ)う俤(おもかげ)...
泉鏡花 「歌行燈」
...その後ろにいつも付き添っている亡き母堂の俤(おもかげ)の厳しい鞭を連想して...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...ふとした表情に小夜子は花の俤(おもかげ)をはっきりと見た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...徒らに美人の俤偲ばしむるのみなるべし...
大町桂月 「冬の榛名山」
...私たちには思ひ出も悲しくさうして今ではあのお方の御俤をしのぶ唯一のお形見ともなつたあの御歌集が...
太宰治 「右大臣実朝」
...女人の俤が眼の先にちらついて...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...動物愛護を實地に教へてくれた慈母の俤を偲ぶのである...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...苛ら苛らしながら日向ぼっこをしてる近代人の俤がある...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...孰(いづ)れの梢(こずゑ)も繁茂(はんも)する力(ちから)が其(そ)の極度(きよくど)に達(たつ)して其處(そこ)に凋落(てうらく)の俤(おもかげ)が微(かす)かに浮(うか)んだ...
長塚節 「土」
...最早名妓といった俤(おもかげ)はありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...シャヴァンヌの絵のようなあのひとの俤だったのです」森川夫人は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...……私はむかしのひとの俤を探して歩きました...
久生十蘭 「キャラコさん」
...俤は夢寐(むび)の間にも忘れられず...
久生十蘭 「湖畔」
...雲往きて桜の上に塔描けよ恋しき国を俤に見んこれも若い娘の好んで描く幻像あこがれを歌つたものらしく何のこともないが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あの辺から玉川へかけては昔の武蔵野の俤が残つてゐて野馬でも遊んでゐさうな心持がしてゐた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その写真の中の見なれない若い母の俤の方が...
堀辰雄 「花を持てる女」
...」その時の事が俤にでも立つらしく...
森林太郎 「身上話」
...幽かながらも城地の俤を遺して居る...
柳田國男 「ひじりの家」
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