...これも信玄袋を手に一つ...
泉鏡花 「歌行燈」
...膝(ひざ)に乘(の)せた信玄袋(しんげんぶくろ)の名(な)ゆゑである...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...信玄袋(しんげんぶくろ)というものもこの世にまだ在った...
太宰治 「座興に非ず」
...午頃(ひるごろ)に荷物が着いて、大きな支那鞄(しなかばん)、柳行李(やなぎごうり)、信玄袋、本箱、机、夜具、これを二階に運ぶのには中々骨が折れる...
田山花袋 「蒲団」
...信玄袋を車夫は運んで車に乗せた...
田山花袋 「蒲団」
...膝掛(ひざか)けと旅行用の信玄袋を持って登場...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...小さなバスケットや信玄袋の中から取り出した殘りものゝ鹽煎餅やサンドウイッチを片付けて居た生徒達の一人が...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...よく来たのね」三の二「今日はどんな?」藤色(ふじいろ)縮緬(ちりめん)のおこそ頭巾(ずきん)とともに信玄袋をわきへ押しやり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そのあとより五十あまりの婢(おんな)らしきが信玄袋をさげて従いたり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...私は信玄袋の女をまねくと...
林芙美子 「新版 放浪記」
...今日こそ十二社に歩いて行こう――そうしてお父さんやお母さんの様子を見てこなくちゃあ……私はお隣りの信玄袋に凭れている大学生に声を掛けた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...「うん、仕方がない」蒲団、柳行李、信玄袋、鍋、釜、米とぎ桶、茶瓶、などを、それぞれ、分担して、身体につけ、乞食のような恰好で、海岸添いの道を歩いた...
火野葦平 「花と龍」
...「歩く! しまいまで歩く!」と言って丈の高い商人風の客は大きい信玄袋(しんげんぶくろ)をさげた...
水野葉舟 「黄昏」
...古びた信玄袋を振って...
宮本百合子 「秋の反射」
...足元に転っているサイダアや正宗の空瓶と一緒に信玄袋へおしこんで土産に持って帰るのを慣しとしている...
矢田津世子 「神楽坂」
...やがて震える手で傍(かたわら)の大きな信玄袋の口を拡げて...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...人形を入れた信玄袋をソッと取り上げて...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...母は大きな信玄袋や何かをぼくの足もとにおいて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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