...嗅覚の味覚と味覚の嗅覚(立体への絶望に依る誕生)(運動への絶望に依る誕生)(地球は空巣である時封建時代は涙ぐむ程懐かしい)一九三一...
李箱 「線に関する覚書1」
...鷲峰師の説明に依ると...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...でも、こいさんは婆やさんも知っての通り、あの時分にはまだ人形の製作をしておられたので、その方の収入で結構食べて行けた上に貯金までもしていたくらいで、何も若旦那のお世話になる「必要」なんかなかった筈である、と、お春が云うと、それはそう云う風にこいさんは云っておられたのであろうし、お春どんにしても、お宅の奥さんや雪子娘(とう)さんにしても、それを真に受けておられたのであろうけれども、凡(およ)そ考えて見ても分ることは、こいさんがいくら働きがあると云っても、女の腕で、而(しか)もお嬢さんの遊び半分にする片手間仕事の収入で、衣食住にあんな贅沢を尽しながら一方では貯金をするなんて云うことが、ほんとうに出来たであろうか、何しろ立派な仕事場を持っておられたそうであるし、西洋人のお弟子まであったと云うし、米吉どんに製作品の写真を撮らしたりして宣伝が派手であったから、お宅の方々がつい身贔屓(みびいき)でこいさんの実力を買い被(かぶ)られたのも無理はないが、恐らくそんなに大した稼ぎがあったのではあるまい、貯金も通帳を見たのでないから何とも云えないが、多分高の知れたものだったであったろう、もしそうでなく、沢山預けていたとすれば、蓄(た)め込むために若旦那から搾(しぼ)っていたと云うことにもなる、と、婆やは云って、事に依ると、こいさんにそう云うことをさせた黒幕は、案外米吉どんであったかも知れない、米吉どんにすれば精々こいさんが若旦那の支援を受けていてくれる方が、自分の負担がそれだけ軽くなる訳であるから、内々若旦那と逢っていることも分っていながら、見て見ないふりをしていたのかも知れない、とさえ云い出すのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女が息を吹き返してからの話に依ると...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それで句に依るとちょっと判らぬことなどもあるので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...両氏の力に依るところがはなはだ大きいといわなければならない...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...清潔法施行に依る特別支出...
火野葦平 「糞尿譚」
...不気嫌な気色を示すのに依るより他はない...
牧野信一 「蔭ひなた」
...俺も二人の意見に賛成した――プラトンの体系に依る共和国をつくつて……」武一の云ふところに依ると...
牧野信一 「南風譜」
...これに依る客観視し得るためでありませう...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...近來の研究に依るとピタゴラスの説或はピタゴラス團體の學則等に於ては...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...「同一のものが同時にあり且つあらぬことは不可能である」というのがアリストテレスに依る矛盾律の表現であるが...
三木清 「哲学入門」
...それは主として左右田喜一郎先生の影響に依るものである...
三木清 「哲學はどう學んでゆくか」
...だが僕達の解釋するところに依るとだね...
水野仙子 「女」
...あくまで地道な直ぐな態度で口語に依る新しい日本の文章を書かうと努めた二葉亭の表現は明かに後年の口語体の文章の源流になつたと言つていい...
水野葉舟 「言文一致」
...その当時の最も有力なる学理学説によりて決定せられし先例に依る時は...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...ぼくの寛々たる大腹に依るわけでは決してない...
吉川英治 「折々の記」
...ぼくの場合は境遇に依るものだ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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