...故君子惡二似而非者一...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...その似而非(えせ)気取りを葉子は幸いにも持ち合わしていないのだと決めていた...
有島武郎 「或る女」
...戸沢はその男の似而非者(にせもの)に遇ったんだな...
有島武郎 「星座」
...トヾの結局(つまり)が博物館(はくぶつくわん)に乾物(ひもの)の標本(へうほん)を残(のこ)すか左(さ)なくば路頭(ろとう)の犬(いぬ)の腹(はら)を肥(こや)すが世(よ)に学者(がくしや)としての功名(こうみやう)手柄(てがら)なりと愚痴(ぐち)を覆(こぼ)す似而非(えせ)ナツシユは勿論(もちろん)白痴(こけ)のドン詰(づま)りなれど...
三文字屋金平 「為文学者経」
...この似而非統制の積極的内容が然るに何であるかに至っては...
戸坂潤 「思想動員論」
...この似而非統制(「統制」と呼ばれながら統制以上の或るもの)の内容が何に向かって動きつつあるかの見極めにあったのである...
戸坂潤 「思想動員論」
...そして精神的似而非(えせ)自由が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...似而非(えせ)優秀者らが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...似而非(えせ)賢者何程(なにほど)のことやあらんと...
中島敦 「弟子」
...その作家は「精神に詩を持たない」似而非詩人である...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...前者は形式だけの似而非(えせ)詩である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...人々がこの種の似而非(えせ)自由詩(印象的散文)に見慣れた結果...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...本質に特殊なリリツクを持たないものは似而非物である...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...詩を知らない似而非俳人はないであらう...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...磊落(らいらく)を粧(よそお)う似而非(えせ)豪傑には...
二葉亭四迷 「浮雲」
...陽に清貧を楽(たのし)んで陰に不平を蓄うるかの似而非(えせ)文人が「独楽」という題目の下にはたして饅頭...
正岡子規 「曙覧の歌」
...うっかりすると「演説使い」だとか「雄弁売り」――又は時と場合では「偽国士」とか「似而非(えせ)愛国者」とかいう尊号を受(うけ)ないとも限りませぬ...
夢野久作 「鼻の表現」
...もうそんな似而非侍(えせざむらい)とつきあう要はない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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