...仰ぎ見る群衆の頭上に迫って来た...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...眼もくらみて仰ぎ見ること能はざれども...
大町桂月 「日月喩」
...この頃ならでは仰ぎ見るべくもない...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...いまのようにただ遠方からのみ陛下を仰ぎ見る連中に成り下がっているよりか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...梢(こずゑ)の方に赤い肌(はだ)を見せたりして仰ぎ見るばかりに堂々たるものとなつた...
相馬泰三 「夢」
...私どもにはただ勿体なく目のつぶれる思ひでその尊さお偉さに就いてはまことに仰ぎ見る事も何も叶ひませぬが...
太宰治 「右大臣実朝」
...それと同時にそういう所で仰ぎ見る空の色が以前よりも深く青く見えだしたような気がする...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...仰ぎ見る彼等は、流るゝ雲に引きずられてやゝもすれば駈(か)け出しそうになる足を踏(ふ)みしめ踏みしめ立って居なければならなかった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...若芽の伸びてる方向を辿って仰ぎ見ると...
豊島与志雄 「道連」
...怖る怖る地上へ膝行(しっこう)して集まった人たちを仰ぎ見ることをしないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...仰ぎ見ることさえしないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...「玉や――」みんなが口をあいて空を仰ぎ見る...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...(二) Confessiones. XI, 14 seqq. 總じてアウグスティヌスの時の論は觀點と所見とを異にするものも尊敬と感謝とをもつて仰ぎ見るべき劃期的業績である...
波多野精一 「時と永遠」
...一人として大親分の顔を仰ぎ見るものもない...
久生十蘭 「魔都」
...子供の眼には仰ぎ見る馬上の姿が...
水上滝太郎 「大人の眼と子供の眼」
...遙かに下界から仰ぎ見るをよしとする...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...何んだか絶えず不透明なものを仰ぎ見るような眼付をしていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...門を通して仰ぎ見る日はもう二度と帰ってこないのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
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