...亡き人の弟といふ懷しさが先に立つて...
石川啄木 「鳥影」
...果たして亡き人の着ていた着物であった...
伊藤左千夫 「奈々子」
...こんな物へ弟の馨は亡き人を忍ぶつもりで毎日水をやつてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...亡き人の声を聞いたのと...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...霊眼が開けば目のあたりに亡き人の姿さえ見ることも出来るとのことでした...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...亡き人に恋し初めたという悶えは...
豊島与志雄 「理想の女」
...この世に亡き人の数に入っている...
中里介山 「大菩薩峠」
...その後故あって廃業して仕舞い一場(いちじょう)の昔譚(むかしばなし)を今日に残したその妻も今は疾(と)く亡き人の数に入った...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...亡き人の妻の從妹としての私は...
水野仙子 「響」
...僅な事にも氣を配つて亡き人の遺志のために戦ひながら...
水野仙子 「響」
...到底自分には忘れる事の出來ぬ亡き人の思を抱いて...
水野仙子 「響」
...根の国の話一 亡き人に逢える島肥前(ひぜん)の下五島(しもごとう)...
柳田国男 「海上の道」
...是は亡き人の往(い)って住むという...
柳田国男 「海上の道」
...そして妻のみぎはは臣之助に三十日ほど後(おく)れて亡き人となった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...では、楠木多聞兵衛正成(くすのきたもんびょうえまさしげ)と、貴僧とは」「いやすでに、前代楠木正遠が、北河内の玉櫛(たまくし)ノ庄(しょう)の出屋敷にあって、あの辺りの散所を支配していた頃からの誼(よし)みでおざった」「して、卯木とは」「あれは、その正遠の末娘よ」「すると、正遠は、はや亡き人ゆえ、卯木の実家方(さとかた)をたどるなれば、必然、水分(みくまり)にて家督をつぎおる現当主、楠木兵衛となりますな」「さよう...
吉川英治 「私本太平記」
...また毒矢のぬし史文恭(しぶんきょう)をもいけどって亡き人のうらみを報ぜん...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いまは亡き人であるが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...世に亡き人になっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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