...亡き人の今朝からの俤を繰返し繰返し思ひ浮べて泣いた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...そのほか亡き人の物らしいもの何一つ見当たらない...
伊藤左千夫 「奈々子」
...果たして亡き人の着ていた着物であった...
伊藤左千夫 「奈々子」
...今は亡き人の角田浩々歌客氏や...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...今は亡き人の、新聞王ノースクリツフ卿を訪問した若い新聞記者があつた...
薄田泣菫 「茶話」
...「俗世の人が涙で亡き人を送ろうとも...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...この書はその亡き人びとの代弁をつとめるであろう...
永井隆 「この子を残して」
...書かぬ文字言はぬ言葉も相知れど如何すべきぞ住む世隔る しみじみとこの六月程物云はでやがて死別の苦に逢へるかな 信濃路の明星の湯に友待てば山風荒れて日の暮れし秋 我泣けど君が幻うち笑めり他界の人の云ひがひもなく から松の山を這ひたる亡き人の煙の末の心地する雨休みなく地震(なゐ)して秋の月明にあはれ燃ゆるか東京の街大正十二年秋の関東大震災は今日から見れば大したことでもなかつたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...既(すで)に世に亡き人と思いし朋友の再生に遭(あ)うたるが如(ごと)し...
福澤諭吉 「蘭学事始再版之序」
...中務大輔は俄(にわ)かに煩いついて亡き人の数に入った...
堀辰雄 「曠野」
...彼女自身のはひつてゆく餘地のないやうにすらときどき思へるほど弘の心をいまだに占めてゐる亡き人のさういふ思ひ出に對して彼女自身でも氣まりの惡いやうな氣もちさへもちかねなかつた...
堀辰雄 「おもかげ」
...亡き人の身につけたものをおかたみ分けにいただいて...
堀辰雄 「おもかげ」
...おそらく亡き人の遺言を重んじてのことだったのだろう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...朽木氏は今は亡き人であるから...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...亡き人への親しい追憶こそは墓が吾々に示そうとする心なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...もしくは亡き人々の仮の姿とも見たので...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...そして妻のみぎはは臣之助に三十日ほど後(おく)れて亡き人となった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...また毒矢のぬし史文恭(しぶんきょう)をもいけどって亡き人のうらみを報ぜん...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??