...その中にあの大乱痴気が起つた...
有島武郎 「骨」
...乱痴気(らんちき)...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...またある者は太陽の正面からかくさねばならなかった乱痴気騒ぎは洞穴(ほらあな)において騒ぎ廻ったという事を主張しています...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...親父さんがいま庵室で大乱痴気を演じたのも...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...御亭主殿が急に患(わずら)いついてポクリと死んでしまいました」「はあ――て」「それからお内儀さんというものが捨鉢(すてばち)の大乱痴気(だいらんちき)で身上(しんしょう)は忽ちに滅茶滅茶...
中里介山 「大菩薩峠」
...なかなる宴会はすでに大乱痴気になっている証拠...
久生十蘭 「魔都」
...もう踊りの練習といふよりも乱痴気騒ぎであつた...
北條民雄 「盂蘭盆」
...それッとばかりに雲のような見物の群が合の手を合唱する大乱痴気に浮されて...
牧野信一 「鬼涙村」
...それツとばかりに雲のやうな見物の群が合の手を合唱する大乱痴気に浮されて...
牧野信一 「鬼涙村」
...一度び夕べの帷が降りると、街々には一斉に光りの渦が溢る、かのニューヨークのブロウドウエイもものかはのきらびやかさだ、タクシーの洪水、全市一円の看板がかかげてゐるが、先方から車を止めて寄り添ひ、五十銭で行かう、三人でも五人でも、この界わいなれば半円で行かう――だから、誰でも乗る、それ、シネマへ、それ、ダンス・ホールへ、それ、タバンへ――ジヤズの渦巻――急テンポ――恋も、喧嘩も、乱痴気騒ぎも、ただ色とりどりの火花と散つて、ナンセンス! シュル・レアリズム! エロティシズム!フオウビズム! エピキュリズム! ロマンティシズム!ネオ! ネオ! ネオ!……と矢つぎばやに綺麗な花火が挙るが、何方を向いて「玉や! 鍵や!」といふやうな讚辞を放つて好いか、考へる暇などない、芸術とか、文学とか、観照とか! 口にするだけ野暮の骨頂らしい、芸術もへつたくれもあつたものぢやない! エロスのカクテル、抱擁、馬鹿噺、接吻、目茶苦茶踊り――で、パッパッと目の先を刺激して瞬時瞬時を過して行けば、理窟はいらない、それならそれで誠にそれは面白い、何たる朗らかさぞや! また空麗かに晴れ渡つた日曜日には、貴族も平民も一斉に競技場を目がけて手に汗握つて押し寄せる、ドッとばかりに歓呼の声を張りあげて人生の苦を忘れる、何たる壮絶! ――あの大地震の禍は転じて、この素晴しい発展振り、万歳! ――この目醒しい風景の転化だけでも、まことに夢のやうである、それに伴れて、人の生活も心的状態も目醒しい転化をしてゐるであらう、そこには当然真のネオ・アートが発生すべきである、曰、新興芸術派! S君、君の質問の出発点は其処にあるのかね?」D「遠く自然主義時代に客観描写の筆を練磨した学生が、全く同じ筆を執つて単に社会状態の一区劃を根気強く報道した文章が、新たに、或ひはエロ派、或ひは階級争闘派と称ばれて、その材料の如何のみに依つて、ネオ! と目され、洛陽の文壇を席捲してゐる現象に就いて、感ずるところを述べよ! とでも云ふのかね、S君?」W「エロ……では、僕は此間実に参つた...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...吾と吾が胸を滅多打ちの銅鑼(どら)と掻き鳴らす乱痴気騒ぎの風を巻き起してここを先途と突進した...
牧野信一 「ゼーロン」
...踊れよ踊れ! といふ大乱痴気の限りを尽すのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...白粉(おしろい)剥(は)げの女の寝顔とを――ゆうべの乱痴気を戸閉(とざ)したままな六畳間に――ぽかっと沼の水死人みたいに二ツ浮かせていた...
吉川英治 「大岡越前」
...宵から夜半まで乱痴気(らんちき)騒ぎをしたあげく...
吉川英治 「私本太平記」
...ただの乱痴気(らんちき)な大酒宴で終ってしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...夜もすがら大乱痴気(らんちき)をやって別れたことがある...
吉川英治 「平の将門」
...酒興の乱痴気を沸かせるだけの目的であるから...
吉川英治 「平の将門」
...乱痴気な酔漢を路上に見るのは珍しくない時代であったが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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