...この機会(きかい)に乗じて自(みず)から利(り)し自家(じか)の懐(ふところ)を肥(こ)やさんと謀(はか)りたるものも少なからず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...その油断に乗じて...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...あるいは更にこの機に乗じて仏教を九天の上に昇らしめんと勉むるに至りぬ...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...渋柿)*子猫が勢いに乗じて高い樹のそらに上ったが...
寺田寅彦 「柿の種」
...それに乗じていった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...それを時の勢いに乗じて...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしこれらは酒興に乗じて互に弱点をさらけだす位が関の山で何も得るところはない...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...往々開進の風潮に乗じて...
福沢諭吉 「徳育如何」
...大衆の不幸に乗じて儲けを許されるのは誰なんだ? そんなものは放棄すべきだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...それで彼は、『或る日の運動』を読み始めたのであるが、たしかに指摘した筈の多くの誤植活字が、一つも訂正されてゐないので、多少の迷惑は感じたが――「だが私は、自分の小賢しき邪推を、遊戯と心得てゐた頃だつた、愚昧な心の動きを、狡猾な昆虫に例へて、木の葉にかくれ、陽りを見ず、夜陰に乗じて、滑稽な笛を吹く――詩を、作つて悲し気な微笑を洩してゐた頃だつた...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...この日暮に乗じて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...夜陰に乗じて墓を発(あば)き...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...相手の気分の虚実に乗じてやろう...
夢野久作 「鼻の表現」
...そして青州の兵が訴え出た件は、まったく事実とあべこべで、彼らが、混乱に乗じて、掠奪をし始めたので、味方ながらそれを討ち懲(こ)らしたのを恨みに思い、虚言を構えて、自分を陥さんとしたものであると、明瞭に云い開きを立てた...
吉川英治 「三国志」
...この機会に乗じて...
吉川英治 「平の将門」
...その混乱に乗じて...
吉川英治 「平の将門」
...阿波守が入国の混雑に乗じて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それに乗じて前述の争が遂に勃発したのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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