...不意に乗じて一種の尊敬を...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...勢(いきおい)に乗じて...
泉鏡花 「婦系図」
...夜陰に乗じてヒスパニオーラ号を見つけ出して乗り込み...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...獅子の知らざるに乗じて...
高木敏雄 「比較神話学」
...地震に乗じて朝鮮人が陰謀を企て...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...大雪に乗じて不意に事を起し...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...スタールツェフはこのひとしきりの混乱に乗じて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...荒野を吹きまくる砂風に乗じていわゆる「アジアのあらし」が襲来する場面がある...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...それに乗じて巡査と兵士とが正面から圧迫して来た...
豊島与志雄 「群集」
...混雑と騒ぎと人込みと薄暗さとまただれも自分に注意を向けていない瞬間とに乗じて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その足がようやく興に乗じて急になる時分に...
中里介山 「大菩薩峠」
...こちらの強味に乗じて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ月に乗じて浮かれ出したものでないことは明らかであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...きっと召使いたちはフェンウィックの留守に乗じて休みを取っている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...この機に乗じて――といふやうに...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...曲者(くせもの)はその混乱に乗じて手際(てぎわ)よく姿をかくしたものらしく...
吉川英治 「江戸三国志」
...――敵、背水(はいすい)の陣を布(し)く!と聞いて、河北軍も、うかつには寄らなかったが、一夜、曹操の中軍前衛隊の許(きょちょ)が、闇に乗じて、味方を奇襲してきたので、「それッ、包囲せよ」と、五寨(さい)の備えは、ここに初めて行動を起して、許の一隊を捕捉せんものと、引っ包んで、天地をゆるがした...
吉川英治 「三国志」
...信長の信用を深めたのに乗じて...
和辻哲郎 「鎖国」
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