...博文館が此の趨勢に乗じて率先してビジネスとしての雑誌を創め各方面の操觚者を集めてプロフェッショナルとしても存在し得る便宜を与えたる功績は決して争われないであろう...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...また団匪(だんぴ)の乱に乗じて全く満州を軍事的に占領した...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...或は人間の困窮せるに乗じて...
高木敏雄 「比較神話学」
...汽車の動揺に乗じて革の上を滑って行って...
谷譲次 「踊る地平線」
...興に乗じて山口へドライヴする...
種田山頭火 「其中日記」
...勢に乗じて急坂を下るが如く...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...その隙(すき)に乗じて郵便屋にばけて表から投げ込んでくるんだ……...
豊島与志雄 「未来の天才」
...しかし、この亭主の心配も取越し苦労で、仏頂寺、丸山の両人は、酒を飲んでいるうちに、いつしか芸者のことは忘れて、酒興に乗じて、何と相談がまとまったか、やがて、あわただしくここを出立ということになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この機に乗じて一針(しん)を加えたにすぎぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...谷村さんは、遠く故郷を離れて、国にはもうお母さんがありませんでしたので、夜蔭に乗じては、下宿の洗面所で猿股を洗ふ事を常としておりました...
林芙美子 「清修館挿話」
...そして時を移さずその混乱に乗じて...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...この勢いに乗じて事の轍(てつ)を改むることなくば...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ほかの人達はおそらくこの機会に乗じてよく休んでいる由...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...夜の暗きに乗じて人跡絶えたる町をドルンバハに向つてずつと先まで歩み行く考に候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...混乱に乗じてでなければ我々の領内に入りえないもので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それくらいなことは」「はい」「そこらの豪傑たちが、乱世に乗じて、一州一郡を伐取(きりと)りするような小さい望みとは違うはずです...
吉川英治 「三国志」
...乱に乗じては無頼者(あぶれもの)をあつめて無名の旗をかざし...
吉川英治 「三国志」
...……その紋太夫の心に乗じて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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