...おくみは大分久しく行つたことのない...
鈴木三重吉 「桑の実」
...傍らに熊送りの為め熊頭(ゆうとう)を木に刺して久しく晒したるを以て白色(はくしょく)となれる数個を見たり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...然れども、支那神仙説の我国に伝わりしこと、甚だ久しく、萬葉詩人の作、既に其痕跡を示すもの頗る多し...
高木敏雄 「比較神話学」
...久しく目に馴染んでゐる温泉場の広告立札が山の裾に並んでゐるのが見えたりして...
徳田秋聲 「歯痛」
...儂も久しく考(かんが)えた末...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...久しく其の位地を支ふるを得べけむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...小説の面白くないことが、久しく説かれた...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...大正二三年の頃獨逸に行きしが歐洲大戰の間際にて久しく居ること能はず...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...久しく海を見ませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...先生今や東北青葉(ば)城(ぜう)下に去(さ)つて久しく相(あひ)見ゆる機(き)を得(え)ない...
南部修太郎 「文壇球突物語」
...久しく滞留(たいりゅう)の折柄(おりから)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...久しく親しい文学の友とも語らず情勢については知る由もないのであるが...
牧野信一 「浪曼的時評」
...煩悩の習久しく尽き...
南方熊楠 「十二支考」
...私にはそれがわかった思えば久しくこんなような言葉を聞かなかった聞きながら私は死んだ兄の顔をマザマザと思い出していた兄さん...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...久しくお逢いしないでいるのですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...飛雲閣の庭は久しく箒を入れないらしく...
室生犀星 「京洛日記」
...蘭軒は久しくこれに答へなかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...絶えて久しく笑い声をあげた...
山本周五郎 「はたし状」
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