...今では板の合せ目などに多少の狂ひを生じてゐる...
芥川龍之介 「身のまはり」
...糊(のり)のように粘ったものが唇(くちびる)の合せ目をとじ付けていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...その後合せ目を白い壁土で塗りつぶすのであるが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...襖の合せ目の処に...
泉鏡花 「婦系図」
...合せ目の細い隙間からギラギラと光る物体が現れ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...少しひらいた窓のカーテンの合せ目から...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...戸と戸の合せ目からさしこんで...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その棒に皮を巻いて合せ目に通信文を書いて送り...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...膠(にかわ)ではいだ合せ目もばらばらになってしまいましたから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...自分の腰布(それは更紗(さらさ)の風呂敷でした)の合せ目から...
太宰治 「人間失格」
...よく見るとその半間(はんげん)の押入の襖と柱との合せ目が...
豊島与志雄 「白血球」
...足の向くまま彩牋堂の門前に来て見ると檜(ひのき)の自然木を打込んだ門の柱には□□寓(ぐう)とした表札まだそのままに新しく節板(ふしいた)の合せ目に胡麻竹(ごまだけ)打ち並べた潜門(くぐりもん)の戸は妾宅(しょうたく)の常とていつものように外から内の見えぬようにぴったり閉められてあった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...パチンとその小箱の合せ目を外(はず)すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...左の手につんと撮(つま)んだ合せ目を...
夏目漱石 「虞美人草」
...その竹籠は真中の蔀と右端の蔀との合せ目に置いてある...
久生十蘭 「魔都」
...法文は壁石の合せ目にかかわらず彫刻してあって...
穂積陳重 「法窓夜話」
...時々カーテンの合せ目を細く開いて感慨深気な眼(まなこ)を傾げて...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...竈場の者さえ扉の合せ目を直しに行くものもなく...
横光利一 「旅愁」
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