...それでその人が其の中にたつた一人の自分を譲つた細君に如何に不見識なことをされてもそれをどうすることも出来ないのが非常に気の毒に思はれます...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...此方が不見識のように見えはしないか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何ぼ何でも不見識なと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人間以外の者に向って伺いを立てるというような不見識が...
中里介山 「大菩薩峠」
...不見識ではあるがやっぱり必要でしょう...
夏目漱石 「おはなし」
...しかし仰山(ぎょうさん)に何事かと聞くのは不見識である...
夏目漱石 「虞美人草」
...なぜと聞くのは不見識だから黙っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...もとは君の持説ぢやなかつたか」「そりや不見識な青年が...
夏目漱石 「それから」
...もとは君の持説じゃなかったか」「そりゃ不見識な青年が...
夏目漱石 「それから」
...彼らの己惚をもっともだと是認するに至っては愛想(あいそ)の尽きた不見識と云わねばならぬ...
夏目漱石 「野分」
...不見識(ふけんしき)ではあるが...
夏目漱石 「無題」
...不見識なことは出来なかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...オイソレというも不見識と思ッたか...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それも十年か二十年の事なら兎も角も二百年たつても三百年たつても其糟粕を嘗(な)めて居る不見識には驚き入候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...それも十年か二十年の事なら兎も角も二百年たつても三百年たつても其糟粕を嘗(な)めて居る不見識には驚き入候...
正岡子規 「再び歌よみに与ふる書」
...自ら顧みて不見識に思はれた...
正宗白鳥 「吉日」
...その不見識というか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...先輩の手法を模倣して年々その画風を変えるごとき不見識に陥らず...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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