...と湯上りの颯(さっ)と上気した顔の色を変えたが...
泉鏡花 「婦系図」
...憤激に上気した同志の顔――火のような言葉――中止――検束圧縮された聴衆の反抗が爆発した...
今村恒夫 「死ぬる迄土地を守るのだ」
...異様な昂奮(こうふん)に上気した頬(ほお)を...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...畏敬(いけい)のまなざしで恋人の上気した顔を見上げた...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...上気したようにポウッと眼の縁が染まって...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...周りの噪音(そうおん)が激しいのとで上気したせいか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...かあッと上気したように赧(あか)くなった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...今夜もその色白な頬に上気したやうな紅味を浮かべて坐つてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ぽっと上気したような顔をして言ったことがあったくらいであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...上気した花は、其の色の勢力を、空の瑠璃色と競はうとする欲望に燃えてゐる...
ボードレール 富永太郎訳 「道化と※[#濁点付き片仮名ヰ、1-7-83]ナス」
...室内の温気(うんき)に上気したためであろうと見受けられた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...目の下の頬肉(ほおにく)が上気したため...
本庄陸男 「石狩川」
...若々しい上気した顔に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...ボウーッと上気したような薄あかい顔をして...
三好十郎 「樹氷」
...彼は上気した声でいった...
山川方夫 「演技の果て」
...おすえは上気した顔に微笑を湛(たた)え...
山本周五郎 「さぶ」
...真赤に上気した額の汗を拭き拭き一同に指示した...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...濡れたナプキンで上気した自分の顔を拭き拭き給仕にソーダのお代りを命じた...
夢野久作 「二重心臓」
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