...」おくみはやがてかう言つて上り口へ出て行つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...お銚子(ちょうし)を持って階段の上り口に立っていて...
太宰治 「眉山」
...梯子段の上り口に灯(ほ)かげがゆらめいているのを見れば...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...上り口の立て札には頂上まで五時間を要し途中一滴の水もないと書いてある...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...上り口のドアを叩かなければならなかつた...
徳田秋聲 「老苦」
...上り口までのっそり起き出て来...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...上り口から匐い下りて...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...上り口の敷居のところへ立って...
直木三十五 「南国太平記」
...それから四方へ上り口をつけて...
中里介山 「大菩薩峠」
...敬太郎は宿の上り口の正面にかけてある時計を見るふりをして...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ついに思い切って上り口へ出た...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...一番覇(は)を伸(のば)しかけた上り口からで...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...五十ばかりの人の悪そうな婆が上り口に這い出して来た...
久生十蘭 「魔都」
...その時まで上り口近くに腰をかけてゐた土地の者らしいのが氣を利かして...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...別れの座なりを二つ三つ交わした後上り口まで行った助五郎は...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...なおその上り口のひろい床と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...――」主婦はすぐ階下の上り口へ立って来たらしかった...
室生犀星 「三階の家」
...上り口の部屋の窓から顔を出した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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