...万々一のことがあってはと...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...万々一非常に不幸な場合になったとしても近世文明の精神と世界国際の関係とは独り一国をして斯の如き悲境に立至らしめる事はあるまいと云うような気がした...
永井荷風 「花火」
...ここに五十になった紀((ママ))念の意味で少々死後のことを書いて置いて万々一の用心にし...
中里介山 「生前身後の事」
...それよりもなおいけないのは、万々一、そんなことは予想するさえいやで、また予想するほどの必要が微塵(みじん)もないことですけれども、島の検分に赴(おもむ)いた船長さんと田山さんの一行の上に、何かの異変が――というようにまでもお松は念を廻(めぐら)してみるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...我々の生活がわかってさえもらえば、好んで周囲を悪くするものはないはずですから、万々一、そういう人は、この社会を離れてさえもらえばよろしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...若(も)し此欄干が外れるような事があったら――万々一にもそんなことは無い筈ですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...万々一暮しに困るとか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――万々一お小夜がどうかすると?」「そんなことは考えても見ませんよ」金之助は向っ腹を立てたらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...老中が家臣に毒を盛られてはならぬな」「ハッ」「万々一にも左様の不心得者があれば...
野村胡堂 「礫心中」
...万々一もこの二流抱合の萌(きざし)を現わすことあらば...
福沢諭吉 「学者安心論」
...小平義雄が万々一死刑を免れ...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...ひとりで行って万々一妙なことになるといけませんから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...又上陸致候而も万々一急速之御用御坐候共...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...(b)ところで万々一...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたしの気分が万々一わたしの生きている間にどこぞの君子人(オネトム)のお気にかなうようなことになるなら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いわゆる万々一の場合...
柳田国男 「木綿以前の事」
...もしも万々一それが悪かったらどうしよう...
柳田國男 「夢と文芸」
...ちがいはない!だが――万々一...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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