...当時京都の町は一通りならず衰微(すいび)していた...
芥川龍之介 「羅生門」
...両親の喜びは一通りではなかった...
伊波普猷 「私の子供時分」
...大風が吹いて樹木がざわざわする夜などは飼主の心配は一通りでない...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...また芸術的実写映画としての山岳映画や猛獣映画のごときものについても一通り述べたかったのであるが...
寺田寅彦 「映画芸術」
...以上は一通りの理論から期待される事であるが...
寺田寅彦 「海陸風と夕なぎ」
...また従来すでに一通りの成効の道を進んで来た人が...
寺田寅彦 「柿の種」
...一通り読み返したが...
豊島与志雄 「土地」
...その径路(すじみち)を一通り聞けば...
中里介山 「大菩薩峠」
...私がその仔細(しさい)を一通りお聞き申しておきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通りそのお嬢さんの脈を診(み)て上げて帰りに...
中里介山 「大菩薩峠」
...本郷通りの古本屋を一通り漁(あさ)った私は...
中島敦 「虎狩」
...随分苦労なすつたでしよ? 一通りならない煩悶をなすつたわね...
長與善郎 「青銅の基督」
...卒業の成績だのを一通り聞いた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...部屋中一通り見巡(みま)わしてやった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...一通りの日常品も売っているし...
萩原朔太郎 「猫町」
...かなり苦心して漸く一通りの纏まりをつけ模型をつくった...
長谷川伸 「奇術考案業」
...一通り見てきてから...
松本泰 「日蔭の街」
...一通りの難儀でないのが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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