...一通り検死が済むと...
江戸川乱歩 「五階の窓」
...現場に関する一通りの説明を始めたんです...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...それを受取って一通りずーっと目を通すと...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...相沢知吉といふ人物については一通りのことは知つてゐるつもりだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そうしているうちにいつのまにか一通りの新米(しんまい)ファンになりおおせたようである...
寺田寅彦 「映画時代」
...お今は一通り家政科に通じてから...
徳田秋声 「爛」
...各種の宝石を一通り具えてみたくなる...
豊島与志雄 「慾」
...皆さんたち甲州入りをなさる気か、それとも駿河の方へ帰りますか」「それは姉さん次第」「それなら皆さん、駿河へ帰るも甲州へ入るも人家までは同じぐらいの道程(みちのり)、いっそ甲州へ入ることに致しましょう」「承知しました」「わたしが先へ立って参ります、お浪さん後からおいでなさい、いちばん若い人を真中にして」「心得ました」「わたしが音頭(おんど)を取りますから、人家へ出るまで皆さん、歌をうたって下さいまし」「よろしゅうございます」「それで、人家へ着いたなら、お役人の方へ御沙汰(ごさた)をしなくてはならぬから、一通り、あの人の殺されているところを調べて参りましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通りその功名を誇ってから後に食いにかかる...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通り甲板から各船室を見舞った上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通り実験を見て...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...卒業の成績だのを一通り聞いた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...之で一通り私の知りたいと思って居た事は...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...算露盤の一通りを授けて...
福沢諭吉 「新女大学」
...遊芸は一通り出来て...
二葉亭四迷 「浮雲」
...人民の迷惑一通りでない...
穂積陳重 「法窓夜話」
...牡丹屋では一通りのものを揃へてやつて...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...幾つかの二階の部屋をずッと一通り見届けて帰ってくる...
吉川英治 「江戸三国志」
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