...まだ枯れ果てない菊や萩(はぎ)などが雑草と一緒くたに情けも容赦もなく根こぎにされるのを見るとさすがの葉子もはらはらした...
有島武郎 「或る女」
...今朝の昇汞(しようこう)の事がぐら/\と一緒くたになつて...
有島武郎 「お末の死」
...写生私の帳面は縮図も写生も一緒くたでございます...
上村松園 「座右第一品」
...一緒くたにして取り扱ふことのできる所謂有識婦人の集まりでした...
薄田泣菫 「黒猫」
...(四季袋のなかにはポケツト論語と毛染薬(けぞめくすり)と塩煎餅とが一緒くたになつてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...そして括り紐と包み紙とは一緒くたに丸めて紙屑籠に投(ほ)り込んだ...
薄田泣菫 「茶話」
...」爺さんは水洟(みづはな)と一緒くたに涙を啜(すゝ)り込むだ...
薄田泣菫 「茶話」
...一緒くたにして了うという極めて乱暴な結果に陥るのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...社会的観点から自分の知能の向上も利用も考えて見たこともない悪質インテリ(彼等はつまりインテリジェンスそのものが悪質なのだ)が、インテリの青白さを嘆くことによって、その知能自身の著しい低下、低能化を招いたという事実は論外としても、知能上の特殊技能を自ら無視する先に例としてあげた単純なアンチ・アカデミッシャンや、自分達インテリはどっちの階級にぞくすべきかを論じた以前のインテリ論者達は、社会に於ける集団的インテリジェンスの問題と、社会階級の問題とを、一緒くたに、同列に並べて了っているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...私の家と自分の家とを一緒くたに考えて...
豊島与志雄 「絶縁体」
...皆一緒くたになってる...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...チャンバラと捕物とを一緒くたにするあわて者が...
野村胡堂 「胡堂百話」
...神祗釈教恋無常(じんぎしゃっきょうこいむじょう)を一緒くたにして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜卓の上のものと一緒くたになって床のうえに落ちた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...神も仏も一緒くたに...
久生十蘭 「魔都」
...一緒くたに集まって...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...だから君を君の『精神と言語』と一緒くたにして...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...強い力で幸子の手を掴まえて自分の手と一緒くたにたくしこんで...
「一本の花」
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