...渋茶を一掴み隣家(となり)から貰つて来た...
石川啄木 「天鵞絨」
...一掴みの草を採つて女の上に投げた...
石川啄木 「二筋の血」
...お嬢さんは傍にあつた薔薇の枝を一掴み取つて...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「薔薇」
...それから僕はまた場所を変えてまた一掴みの芝草を引抜いた...
海野十三 「深夜の市長」
...ただ一掴みの毛だけはそのままに綿に包(くる)まって出てまいりました時には...
橘外男 「蒲団」
...一掴みの白布が私の手に渡される...
外村繁 「澪標」
...秦は上衣のポケットから一掴みの銀杏の葉を取り出すことがあった...
豊島与志雄 「非情の愛」
...一掴みにされたように感じた...
直木三十五 「南国太平記」
...次には土間の蓄えのうちから一掴みの杉の枯葉とやや生のとを拾い五...
中勘助 「島守」
...一掴みと躍りかかった大蛸は忽(たちま)ち手足を烈しく刺されて退却せねばならなかった...
中島敦 「南島譚」
...この家の婆あの麻扱(あさこき)から苧屑を一掴み取つて来て...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...鞄の中から金貨を一掴み出してやりました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...箱に手を入れて一掴みの粟を...
宮本百合子 「餌」
...一掴みにわかって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...懐中から海の藻の一掴みを出して高く捧げましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...出迎えた細君に残りのバラ銭を一掴み投げ与えた...
夢野久作 「呑仙士」
...ただし一人一掴みずつだぞ」云い渡したが...
吉川英治 「新書太閤記」
...我等の借りてる部屋の隅の炭箱から木炭を一掴み抱へて行つた姿など...
若山牧水 「樹木とその葉」
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