...ほそぼそと霞を破つてゐる三日月の光を眺めながら...
芥川龍之介 「杜子春」
...ほそぼそと突っつく...
梅崎春生 「黄色い日日」
...ほそぼそとむらがりかかるむらさきのばらの花びら...
大手拓次 「藍色の蟇」
...細々(ほそぼそ)ながら...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...わが戀はあさぎほのめくゆふそらにはかなく消ゆる晝の花火か細腰の紅(あけ)のほそひもほそぼそに消ぬがにひとの花火見あぐるほのかなる浴衣の藍の匂より浮き名のたたばうれしからまし東京地圖東京に住んでゐては...
竹久夢二 「砂がき」
...さも幽靈が記したかのやうにほそぼそとなすり書いて置いた...
太宰治 「思ひ出」
...ほそぼそと渡世している人もある...
太宰治 「新釈諸国噺」
...ほそぼそとした恰好(かっこう)迄が髣髴(ほうふつ)と見えて来るのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ほそぼそと松の幹にからんでは消えてゆく...
富田常雄 「面」
...ほそぼそといつまでもひびいていた...
中島敦 「悟浄出世」
...ほそぼそと睡って行った...
室生犀星 「音楽時計」
...夜のあかりがほそぼそとかよう下のわたどの方(かた)に...
室生犀星 「野に臥す者」
...それらはせいぜい中間の境にほそぼそと生きるくらいなものであろう」...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほそぼそながら一家四人が野菜を喰べていられるというのは...
横光利一 「夜の靴」
...演奏が終ると、彼女は悲しげにうなだれて、若き日の恋や愉しかった日を思い出すらしく、いまは失意の貧しい生活(たつき)を、この大河や湖(みずうみ)ばかりな蕭々(しょうしょう)のうちに托(たく)して、移りあるいている身の上と、ほそぼそ語った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ほそぼそ生活を求めるしか...
吉川英治 「平の将門」
...ほそぼそと、廂(ひさし)に雨のうつ、秋の晩で、『母上、ちと、お体でも揉(も)みましょうか』書斎を出た山陽は、腰が痛むといって、早めに寝た母のそばへ寄った...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...僧院の人のすさびであろうか、どこかで、ほそぼそと、尺八の音(ね)がながれた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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