...ほてった頬(ほお)をひやひやするその窓ガラスにすりつけながら外を見た...
有島武郎 「或る女」
...――お客の言うことを聞かぬ言うて、陸(おか)で悪くば海で稼げって、崕(がけ)の下の船着(ふなつき)から、夜になると、男衆に捉(つかま)えられて、小船に積まれて海へ出て、月があっても、島の蔭の暗い処を、危いなあ、ひやひやする、木の葉のように浮いて歩行(ある)いて、寂(しん)とした海の上で……悲しい唄を唄います...
泉鏡花 「歌行燈」
...ひやひやする縁側を歩いたこと...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...ひやひやする夜気に肌をさらしながら時のたつのも忘れて驚嘆をつづけた...
中勘助 「銀の匙」
...後(うし)ろから追手(おって)にせまられるような気がしてひやひやする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...啓吉の冷たい指が背中にひやひやする度...
林芙美子 「泣虫小僧」
...聞いているわたしさえもひやひやするようなことを口走られるのです...
平林初之輔 「予審調書」
...山風のひやひやする野に出て見た...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...ひやひやするこみちを歩き...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...ひやひやするだろう...
横光利一 「旅愁」
...あんなに詰めかけて来ると外(ほか)の者がひやひやするのですもの...
與謝野晶子 「帰つてから」
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