...数十部の画帙画套が恰も一本の棟木のように一つに固まって真黒に焼けて了った...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...巻帙(かんちつ)百六冊の多きに達す...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...九輯となると上中下の三帙(ちつ)を予定し、上帙六冊、中帙七冊、下帙は更に二分して上下両帙の十冊とした...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...乱帙残香独客ノ牀...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...机の傍の本箱には棚を殊(こと)にして洋書と帙入(ちついり)の和本とが並べてある...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...」縁側の半(なか)ほどから奥の八畳の間に書帙(しょちつ)や書画帖(しょがちょう)などが曝(さら)してある...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...又草双紙(くさぞうし)の帙(ちつ)などに用いたら案外いいかも知れないと思ったので...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...これら座右の乱帙中(らんちつちゅう)に風俗画報社の明治三十一年に刊行した『新撰東京名所図会(めいしょずえ)』なるものがあるが...
永井荷風 「向嶋」
...この列仙伝は帙入(ちついり)の唐本(とうほん)で...
夏目漱石 「思い出す事など」
...余のごときは黄巻青帙(こうかんせいちつ)の間(あいだ)に起臥(きが)して書斎以外にいかなる出来事が起るか知らんでも済む天下の逸民(いつみん)である...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...継子は帯の間に隠した帙入(ちついり)の神籤(みくじ)を取り出して...
夏目漱石 「明暗」
...菊判帙入の美本を手に取上げる迄は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...頷聯に「駅馬行駄布帙...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...以成帙者也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...凹巷は「堂上散書帙...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...家貧猶愛新増帙...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...芹沢君は布装幀のほかに一カ年分を入れる帙(ちつ)をも作ってくれた...
柳宗悦 「四十年の回想」
...帙(ちつ)で抱いた愛らしい一帖(いちじょう)の経本(きょうほん)がはいっていた...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索