...ここで坂下の姉様(あねさま)は、夫人の前髪に手をさし入れ、白き額を平手で撫(な)でて、「まだじゃ、ぬくぬくと暖い...
泉鏡花 「悪獣篇」
...ぬくぬくと肩さ並べて...
泉鏡花 「海異記」
...とぐろを捲(ま)いた二頭のニシキヘビが離れ離れの隅(すみ)を陣取ってぬくぬくと睡(ねむ)っていた...
海野十三 「爬虫館事件」
...ぬくぬくを喫わせる」「そう云ってくれると...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...前肢(まえあし)の上に首を伸ばしてぬくぬくと蹲踞(うずく)まった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...主人の外とうの胸にぬくぬくとおさまっていようと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...ああして温々(ぬくぬく)とした寝床などをしているのに...
近松秋江 「霜凍る宵」
...ぬくぬくと小松屋の跡取りになるつもりだったのさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...胸のなかがぬくぬくとする感じで...
林芙美子 「浮雲」
...まるでパンをあたゝめてゐるやうなぬくぬくとした感觸である...
林芙美子 「旅人」
...古い袷に手をとほしたやうなぬくぬくとしたものを感じた...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...ぬくぬくと暮しているというのは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...春の山霞の蒲團にくるまつてぬくぬくお晝寢(ひるね)春の山...
水谷まさる 「歌時計」
...何枚かの衣をぬくぬくと著(き)て出る姿は...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...自分をそんなぬくぬくした場所に置きたくない...
山本周五郎 「さぶ」
...片側はぬくぬくと日光を浴びて...
山本周五郎 「風流太平記」
...スエーターをぬくぬくと着込んで...
夢野久作 「冗談に殺す」
...あのぬくぬくと暖かい床の上に長々と...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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