...「こんな調子の悪さがすべてなだらかな力のカーヴに変る」オーバーランドの山案内クレメンツ・ルッペン...
石川欣一 「可愛い山」
...かような場所を中心にしてなだらかな美しい山々で囲まれた京都の一帯は...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...其処の大洋の床はなだらかで...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...雪をかぶつた山脈のなだらかな起伏も...
太宰治 「陰火」
...なだらかに波うつて雑木が紅葉してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...諸君、わたしの洒落はむろん下品なところがあって、なだらかでなく、筋を外しがちで、おまけに自分で自分を信じないような調子だが、しかしそれというのは、わたしが自己を信じないからである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...なだらかな胆吹尾根から近江の湖面を眺めやった時――壺中の白骨(しらほね)の天地から時あって頭を出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...その暗い底の砂地が妙に綺麗になだらかになつてゐるのが却つて気味が悪い...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...ピンからキリまでもったいなさになだらかな血潮が逆流しまする...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そうしてその麓のなだらかな勾配(こうばい)に沿うて...
堀辰雄 「恢復期」
...ずつとなだらかな道へ出られるものを...
堀辰雄 「牧歌」
...なだらかな眺望になるまで遠ざかっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...なだらかな凹味になつた桑畑から...
牧野信一 「心象風景」
...しかるに歌よみは調はすべてなだらかなるものとのみ心得(こころえ)候と相(あい)見え申候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...かきはじめたらなだらかにゆきそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それより下は一帶の富士の裾野と同じく極めてなだらかな...
若山牧水 「樹木とその葉」
...いかにもなだらかにほどけるのであって...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
...そうなるとあのなだらかな土手が不思議にも偉大さを印象し始めるのである...
和辻哲郎 「城」
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