...猶且つその生活をどん底まで推し詰めて...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...苦境のどん底に落ちこんでも泰然...
石原莞爾 「最終戦争論」
...そしてそれが心のどん底に水晶の氷のやうな冷たい火を點じたかと思ふと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どん底に呻吟する貧苦の種々相をみつづけてきた正造は...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...百姓の家さへ見たらどん底の生活(くらし)を見た事になるのだつた...
薄田泣菫 「茶話」
...長者は悲しみのどん底に沈んで...
田中貢太郎 「長者」
...こうして被告を絶望のどん底におし込んでおかないと...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...大都市の冬に特有な薄い夜霧のどん底に溢れ漲る五彩の照明の交錯の中をただ夢のような心持で走っていると...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...わたしがすっかりどん底に落ちこんでいる時...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...ルノアールの「どん底」...
豊島与志雄 「風景」
...女が一方では屈辱のどん底まで落されながら...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...内心ではその内もうどん底へ行き着くだろうくらいの目算はあった...
夏目漱石 「坑夫」
...(『新社会』一九一六年十一月号にN正吉名で発表 『どん底で歌う』を底本)...
根岸正吉 「落ちぬ血痕」
...人間の心のどん底からにじみ出た恐ろしい深酷なセンチメンタリズムとがある...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...藤木さんはその頃が貧窮のどん底だったが...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...恐怖と戦慄のどん底におとし入れた「上海コレラ」騒動は...
火野葦平 「花と龍」
...これは新聞紙に包んだまゝどん底に入れてあつて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...第二の仮定までもがどん底からぐら付いて来るではないか...
夢野久作 「暗黒公使」
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