...義雄の話を忘れるどころかありありと思ひ出すやうになつたかして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...宇治一品のお茶どころか...
上村松園 「棲霞軒雑記」
...それどころかエレベーターのついている塔が...
海野十三 「怪星ガン」
...すみれほどの誇りどころか...
太宰治 「パンドラの匣」
...ないどころか、まだ仰山あって、あの娘はそんな病気になる……親一人、子ひとりの私の身になったら、あんたはん、泣くに泣かりゃしまへんがな...
近松秋江 「狂乱」
...面白がるどころか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...失望するどころか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ベンジャミン・フランクリンが作ったところの、自分達の本をもちよって、それを読む図書館のようなものは、威張るどころか、喫茶室のようなこころもちのものを要求したにちがいない...
中井正一 「巨像を彫るもの」
...もう大丈夫だろうと上って見たらね」「どうなっておりました」「半熟どころか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...無終極性の意味における不死や永遠的生は生の完成どころか却つて未完成の連續不完成の徹底化なのである...
波多野精一 「時と永遠」
...否、かばうどころか、彼が最も愛して居たと思われる婦人の事は右述べた通り完膚なき迄に、不遠慮に自白し、屍(しかばね)に鞭(むちう)って居る有様です...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...それどころか、人間の生命だつて、今の二倍三倍四倍位には延長できる」今あらゆる可能性が高揚して天蓋を覆ひ尽さうとした...
原民喜 「火の踵」
...それどころか、あなたのような親切なお嬢さんに逢ったのははじめてです」「おや、どうしてでしょう」「いえ、ちゃんと知ってますよ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それどころか、日ごろの水練上手を知っているので、いくらか疲れているのを見ても、格別、心配もしていなかった...
火野葦平 「花と龍」
...名を求めぬどころか...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...わら屑どころか、外へ持ち出した形跡もなかったので、結論としてこっちの家からあっちの家に運んだのだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...本をもって来たのによむどころかという有様よ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一生涯の運のつかみどころかとも思われた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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