...まだ通じもかたまらず...
大杉栄 「獄中消息」
...百右衛門たまらず仰向けに倒れたが...
太宰治 「新釈諸国噺」
...叔父さんが気の毒でたまらず王の居間へ行ってお詫(わ)びしようかとさえ思ったものだが...
太宰治 「新ハムレット」
...その時にいきなり何か烈火の如く怒られそうな気がしてたまらず...
太宰治 「人間失格」
...自分の秘密の喀血がどうにも不安でたまらず...
太宰治 「人間失格」
...するとその男は、だんだん私の話に釣(つ)り込まれてしまい、初めの変に四角張っていた様子はいつか次第に打ち融けて、私の話が惚気ばなしのようになって来ると、たまらず、噴(ふ)き出しながら、「君は女に甘い...
近松秋江 「狂乱」
...矢も楯(たて)もたまらず...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...たつみ上(あが)りに覆面の者からのしかかられた力にたまらず...
中里介山 「大菩薩峠」
...自転車は逆立も何もせず至極(しごく)落ちつきはらったものだが乗客だけはまさに鞍壺(くらつぼ)にたまらずずんでん堂とこける...
夏目漱石 「自転車日記」
...たまらず刀柄(かたな)に手をかけて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それを見た時の景子の喜び方は!――幼い女の児がいいものを貰つた時に嬉しくつてたまらずに手をたたいて声をあげる...
水野葉舟 「かたくり」
...しょげたチャーリーは平凡らしく、金もたまらず、妻も子も持てずに働きつづけ、今や体が弱って髪の白くなったのを「これが日本人労働者の運命なのだ」とこぼし、更に「おまけに、お前が気が弱くなったのは、体が弱ってきたセイってよりも、むしろ恐慌のセイらしいぞ」と弱気な、非闘争的なダラ幹魔術にかかっているような述懐をもらしたかと思うと、忽然として次の行では作者はそのチャーリーに「収入が減ったって、だがそれ以上のものがあるんだ」と意気込ませている...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...それは銀の柄の処のボタンを押すとバネ仕掛でパッと拡がるようになっていたので欲しくてたまらず...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...一面は断崖海に臨みて足もたまらず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...矢もたてもたまらずに...
吉川英治 「江戸三国志」
...対秀吉感情は少しもあらたまらず...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただもう暑苦しくってたまらず...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...母は可愛さうだと思ひながらも可笑(をかし)くつてたまらず...
若松賎子 「鼻で鱒を釣つた話(実事)」
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