...ことにその女の句の方は終点を先に言って始点を後に言っているところにおかしみがあります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...めくらのくせに妙なてつきで舞いますところがおかしみなのでござりましたが...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...この名は「一杯きげん」の意味を含んでいるおかしみがある)...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...その真実性の中からおかしみも美しさもあわれも生まれてくるのであろう...
寺田寅彦 「柿の種」
...この哀れとおかしみとはもはや物象に対する自我の主観の感情ではなくて...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...そのたびに新しいおもしろみとおかしみを感じさせた...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...余は浮世絵師が実地の観察の及ばざる処を補ふにしばしば戯作者風の可笑味(おかしみ)多き空想を以てし半(なかば)支那半(なかば)西洋の背景に浮世絵在来の粉本に基(もとづ)ける美人を配合するなぞかへつて能く怪訝(かいが)好奇の感情を表白せる事を喜ぶ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...貧乏臭い間の抜けた生活のちょっとした処に可笑味(おかしみ)面白味を見出して戯れ遊ぶ俳句...
永井荷風 「妾宅」
...しかしそのおかしみは微(かす)かな哀傷を誘って...
夏目漱石 「明暗」
...恰好(かっこう)も仕業も舞台そのままの可笑味(おかしみ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吹出さずに居られない可笑味(おかしみ)があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...アケツビの方がおかしみがあって面白く...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...あくまでモズモズとしたおかしみで押し通しました...
正岡容 「初看板」
...与次郎の如きは篤実なる所より可笑味(おかしみ)の出る者にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...始終女の心になりて可笑味(おかしみ)を叙(の)べたもの故...
南方熊楠 「十二支考」
...真似(まね)そこないのおかしみであった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...しかし子供には名のおかしみよりも...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...しかもそれらは読者に珍しさとおかしみとを印象するための副動機に基づくものであって...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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